夏競馬のフィナーレを告げると同時に、来年のクラシックを占う意味でも見逃せない2歳重賞。舞台となる札幌競馬場芝1800…

 夏競馬のフィナーレを告げると同時に、来年のクラシックを占う意味でも見逃せない2歳重賞。舞台となる札幌競馬場芝1800mはCコース使用時は1周1659.8mだから、スタンド前から発走して馬場を1周と150m。洋芝コースでもあり、コーナー角度が緩く、最後の直線が短い札幌競馬場だから瞬発力というよりも長く良い脚を使える馬が向く。過去10年間であがり3ハロン最速馬は[4-3-3-1]。キャリアの浅い馬同士の一戦で能力の比較が難しく難解だ。

 ◎サンセットゴールドは札幌競馬場開幕初日の芝1800m新馬戦優勝馬。少頭数の最外枠を引き当ててしまったが、前後半の半マイルが53.0秒〜47.4秒というスローペースの中でもぴたりと折り合い、最後は11.6秒、11.2秒で2着以下をねじ伏せた。重馬場、スローペースという事もあって勝ちタイムは評価できるものではないが、この2着馬が次走であっさりと2馬身半差で初勝利を記録しており、レベルは低くなかった。

 〇ヒシアムルーズは第1回札幌競馬5日目の芝1800m新馬戦優勝馬。このレースの前後半の半マイルは49.2秒〜48.7秒。スタートから平均的に流れてタフな競馬となったが、好スタートから逃げた馬にプレッシャーをかけ続けるような位置から早め先頭。さすがに最後は12.3秒、12.6秒とやや失速したが、ペースを考えればやむを得ない内容。そのまま危なげなくゴールを駆け抜けた。自分でレースを作れるセンスは武器だ。

 ▲アーレムアレスは函館競馬場芝1800m新馬戦優勝馬。今年は概ね良好な状態で行われた函館競馬場だが、それでも最終日のレース。半マイル通過50.1秒のスローペースでやや折り合いを欠くようなシーンもあったが、痛んだインコースで前に壁を作るように折り合いをつけると、最後は11.8秒、11.3秒の流れを外から一気に突き抜けた。まだ余裕がありそうだ。

 △ショウナンガルフは函館競馬8日目芝1800m新馬戦優勝馬。スローペースの2番手でギリギリ折り合いをつけ最後は楽に抜け出した。まだ粗削りな一面を残すが豊かな将来性を感じさせる内容だった。

 函館競馬場でのパフォーマンスが印象に残る△スマートプリエールと、前走で強烈な瞬発力を見せたポペット。最後に△ロスパレドネス。福島競馬場での新馬戦を勝って挑む1戦だが、その内容は侮れない。