今週の土曜日は、札幌競馬場で札幌2歳ステークス(GIII・芝1800m)が行われます。 過去10年の札幌2歳Sを見る…
今週の土曜日は、札幌競馬場で札幌2歳ステークス(GIII・芝1800m)が行われます。
過去10年の札幌2歳Sを見ると、前走で函館か札幌に出走していた馬が8勝2着9回3着8回と圧倒しています。前走で北海道の競馬に使われていた馬については、直前に本州から輸送される馬と比べれば負担が少ないため、このような傾向になっていると考えられます。キャリアの浅い2歳馬による一戦ですし、少しでもフレッシュな状態にある方が結果を残しやすいとも言えそうです。
今年の札幌2歳Sでも多くの馬が前走で函館か札幌に出走していますので、まずはこれらの馬の取捨選択から入るのが良さそうです。前走が函館、札幌ではなかった馬については長距離輸送の負担を考慮し、評価を割り引いて考えるのもいいかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走福島に出走
[0-0-0-13]複勝率0%
該当馬:オブラプリーマ、ロスパレドネス
※特に言及のない限り、データは過去10年の札幌2歳S(計10レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるロスパレドネスが該当しました。
過去10年の札幌2歳Sで前走が函館、札幌ではなかった馬は2勝2着1回3着2回。前走場所の内訳をみると東京(2頭)、阪神(1頭)、中京(1頭)、新潟(1頭)となっています。東京や阪神は中央4場に含まれる競馬場で比較的メンバーレベルは高くなります。また、近年は新潟や中京で行われる2歳戦もマイル以上の距離が多いことや広々としたコースであることから好メンバーが集まりやすくなっています。
これらを踏まえると、前走が函館や札幌ではなかったとしても、レベルの高いメンバーやレースを経験できていれば、僅かながらに好走のチャンスが出てくると言えそうです。しかし、前走で函館、札幌ではなく東京や阪神、新潟、中京でもなかった馬は悲惨な成績となっています。特に不振なのが前走福島組です。
過去10年の札幌2歳Sでは前走で福島に出走していた13頭すべて着外。福島は新潟や中京とは違い小回りでメンバーレベルも低くなる傾向にあります。そのレースを前走で経験してしまっている馬は、重賞で一気にレースレベルが上がることに戸惑い力を出し切れていないのではないでしょうか。
該当馬に挙げたロスパレドネスは前走で福島芝1800mに出走。相手関係を見るとすでに勝ち上がっている馬もいますが、それほど強調できる対戦メンバーではなかった印象です。また、本馬は前走後8月中旬頃まで美浦で調整。そこから北海道へ輸送されています。この時期の2歳馬がレース直前ではないとは言え、長距離輸送を挟んでいる臨戦過程もプラスとは言えません。
人気でも強調点に欠ける印象ですし、リスクを負うほどの大きなリターンにも期待できないとなれば、思い切って本馬の評価を下げて考えることも必要なのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。