オランダGPで久々のポイント獲得を果たした角田(C)Getty Images 去る8月31日(現地時間)に行われたF1第…

オランダGPで久々のポイント獲得を果たした角田(C)Getty Images

 去る8月31日(現地時間)に行われたF1第15戦のオランダGP決勝で、レッドブルの角田裕毅は、上位陣にリタイアが相次ぐ予想外の展開の中で奮闘。し烈なレースを走り抜き9位に入賞。見事に8戦ぶりのポイント獲得を果たした。

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 サマーブレイク明け初戦となった同レースにあって、ようやく目に見える結果を掴んだ角田。一方で、この日は姉妹チームのレーシングブルズで躍動を続ける新人アイザック・ハジャーが3位として表彰台に到達。去就に絡む直接的なライバルが結果を出したために、25歳の日本人が置かれた立場は、今も危ういままと見られている。

 実際、識者からは成長著しい弱冠二十歳のフランス人ドライバーをプッシュする声は強まっている。元F1ドライバーのジョリオン・パーマー氏は、自身がコメンタリーを務めているF1公式のYouTube番組「Weekend Warm-up」において「アイザックが『レッドブルにいたい』と思っているかは分からない。それはローソンやツノダが苦戦してきた姿を間近で目にしているからだ」と前置きした上で、こう続けた。

「ただ、基本的には、F1で勝ちたいと思うなら、彼はずっと居心地の良い中団チームに留まることはできない。来年は新しいレギュレーションが導入される。それは彼にとって絶好のチャンスだ。今のマシンは必ずしもマックスのためだけに設計されたわけではない。新しいレギュレーションが始まれば、すべてが白紙に戻されるだろう」

 エンジンと電気モーターの出力を50対50とし、100%サステナブル燃料の使用が義務化されるなど、来季のF1は大幅にレギュレーションが見直される。パーマー氏は、そうした“環境の変化”がハジャーにとってチャンスになるとみている。

 とはいえ、角田も、おいそれと現在のシートは譲れない。今季限りで契約満了を迎えるが、目標はあくまで「レッドブル残留」。そのためには、チームが設けている“アピール期限”となっているメキシコGPまでの残り5戦で、結果を出し続け、ハジャー以上にインパクトのある走りを見せる必要がある。

 言うまでもなく本人は闘志を燃やしている。モンツァで行われるイタリアGPを前にしたFIAの公式会見に登場した角田は「(オランダGPで)ポイントを獲得したことは、自分にとって正しい方向へと進む真の一歩」と強調。その上で「レースごとに進歩を遂げられている。マシンとパフォーマンスの向上のために、今後も努力を続けていきたい」と意気込んだ。

 今後も角田には厳しい視線が向けられる。その中でレッドブル上層部を納得させるだけの結果と走りを披露できるかは、彼の来季以降を占う意味でも注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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