オランダGPでは何とかポイント圏内に食い込んだ角田(C)Getty Images F1界の“ゴールデンルーキー”が躍動す…

オランダGPでは何とかポイント圏内に食い込んだ角田(C)Getty Images
F1界の“ゴールデンルーキー”が躍動する週末となった。
現地時間8月31日に決勝が行われたF1第15戦のオランダGPで、レーシングブルズの新人アイザック・ハジャーは、並み居る強敵を抑えて3位入賞。自身初の表彰台に立った。
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幾度となくセーフティカーが出る波乱のレースとなったオランダGPで、決勝を4番グリッドで迎えたハジャーは、大きなミスの無い堂々たる走りを披露。最後まで上位陣の中でも優位に立ち続ける今季最高のパフォーマンスをみせた。
業界内で小さくないトピックとなった弱冠二十歳の俊英が見せた躍動は、かねてより囁かれてきたレッドブル昇格の議論をさらに熱くさせている。英衛星放送『Sky Sports』の解説者で、元F1王者のジャック・ビルヌーブ氏は、好走を披露したハジャーを「彼はレッドブル勢の中でも完璧なドライバーだ」と激賞。若くしてF1で経験を積んできたポテンシャルを高く評価した。
「レッドブルは派手なドライバーや派手な態度を好む。だから、ハジャーはうまく機能しているんだ。彼は成長するために完璧なチームにいる。間違いない」
今季はすでに全体10位の37ポイントを獲得しているハジャー。そんな逸材に対してはレッドブル上層部も高評価を下しており、チームのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士は「私は彼を『リトル・プロスト』と呼んでいる」と、4度のF1王者となった往年の名手アラン・プロスト氏との比較を展開。「アイザックは他とは違う。自信という点でも彼は際立っている」と褒めちぎっている。
そうしたチーム内で高まる評価を知るビルヌーブ氏は、去就が注目される角田裕毅(レッドブル)についても言及。過去に「レッドブルのジュニアチームとメインチームで5年間。彼が実力不足であることは分かっている」「ずっとピークを迎えており、そこに到達できたのはホンダのおかげだ」と酷評してきたレジェンドは、こう断じている。
「ハジャーはもうレッドブルへ向かっている。そのことに疑いの余地はない。間違いなく、すでにレッドブル入りの準備は進められている。ヘルムート・マルコがレーシングブルズに送り込み、F1での適応力を試したんだ。そして、いまや彼は、マックス・フェルスタッペンを除くレッドブルのどのドライバーよりも優れた適応力を見せている」
先のオランダGPでは、パワー系統のマシントラブルを抱えながらも、なんとか入賞圏内(9位)を守り切った角田。それでも強まる“逆風”を吹き飛ばすには、現地時間9月5日から始まるイタリアGPで安定した走りと目に見える結果を残す必要がありそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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