2025年8月30日、ヴィッセル神戸対横浜F・マリノスの試合が、ノエビアスタジアム神戸でおこなわれた。試合は1-0で神…
2025年8月30日、ヴィッセル神戸対横浜F・マリノスの試合が、ノエビアスタジアム神戸でおこなわれた。試合は1-0で神戸が勝利した。神戸のフォーメーションは「4-3-3」の中盤が逆三角形になる。横浜FMのフォーメーションは「4-3-3」で中盤は三角形を敷く。
■老獪さが際立った「19分のヘディング」
大迫勇也と武藤嘉紀が4月6日の第9節のアルビレックス新潟戦以来の同時先発となった。この2人のコンディションが整えば、優勝争いに入り込んでくることは疑う余地がない。
また、6月9日に横浜FMから加入した永戸勝也が左サイドバック(以下、SB)で出場する。
一方の横浜FMは、左SBで鈴木冬一がスタメン起用された。8月23日の第27節のFC町田ゼルビア戦を0-0の引き分けで終えて、降格圏内から一歩抜け出した。
なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=dpBeFTEel6c
【19分の大迫勇也のヘディングの場面】
この場面は、大迫の老獪さが際立っている。大迫と競り合ったジェイソン・キニョーネスが、先に優位なポジショニングをとる。キニョーネスは、前にジャンプしようとしているのだが、後ろにのけぞった形になっている。これは、飛ぶタイミングで大迫が落下地点を読んで、周りにわからないように相手を少し押したのでフリーとなってヘディングできたのである。動画をスローにして見てみるとよくわかるが、現在進行形の中では一瞬のことでわからないのだろう。ゴールは決まらなかったが、非常に惜しい場面だった。
■事故での失点を防ぐための「勇気」
【36分の武藤嘉紀のゴールの場面】
バックステップを踏みながらシュートを打った武藤のスキルの高さが見られたゴールだった。エリキが右サイドでピン留めされたように常に高い位置を取るので、横浜の左SBの鈴木はポジションを空けて前に行くことをためらってしまう。
【49分の宮代大聖のシュート場面】
右サイドから井手口陽介がクロスを入れる。これに反応した宮代がペナルティエリア中央からシュートを放つが、ボールはゴール左に外れてしまう。36分のシーンで、エリキにパスを出したのも大迫ならば、井手口にパスを出したのも大迫だった。
右サイドに引いてボールにかかわって起点になって決定機の伏線を作る。あるいはペナルティエリアに入ってシューターの役割を担う。神戸にとっては、大迫と武藤のカップリングは、優勝するためには絶対に欠かせないピースである。
【68分の植中朝日のシュート場面】
左サイドの村松晃助は、ポケットに上がってくる植中の動きをみている。植中はエンドライン近くまでボールを運んでシュートをする。しかし、ゴールキーパーがニアサイドを固めてファーサイドは足を広げてカーバーをする。GKはニアをケアしながらファーサイドを止めに行くから、もしシュートを打つならば、ニアサイドのゴール左上の角を狙えば可能性はあったかもしれない。
あるいは、松村がボールをもったときに、植中をポケットに走らせて囮にして、ペナルティエリアにフリーで入っていた喜田拓也にパスしても面白かったかもしれない。
いずれにせよ、横浜FMにとっては同点にする大きなチャンスだった。
この試合は、神戸が横浜FMの左サイドを封じ込めたことが勝因の一つになっている。
また、神戸のディフェンスラインが少し低かったときがあったので、相手がボールを下げたら勇気を持ってラインを上げてほしい。ゴール近くで選手が守っていると、事故での失点もあり得てしまう。だから、ラインを上げて、GKの守る守備範囲を作ることも今後の接戦を制して優勝するためには、欠かせないピースなのである。
神戸は、YBCルヴァンカップ準々決勝の横浜FCとの第1戦を2-0で落とし、第2戦を9月7日に控えている。J1リーグ第29節、9月12日には大一番の柏レイソル戦が控えている。過密日程の中で、柏戦に大迫と武藤の両輪が出場できるならば、神戸にとっては大きな力になるだろう。