アフマダリエフという難敵を迎え撃つ井上(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Gett…

アフマダリエフという難敵を迎え撃つ井上(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 自らが「最強の敵」と警戒する難敵をいかに退けるか。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥の防衛戦に、国際的な関心も高まってきている。

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 まさに大一番だ。井上は、来る9月14日に名古屋のIGアリーナでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦に臨む。判定決着の末に敗れた23年4月のマーロン・タパレス(フィリピン)戦で王座から陥落して以来、3戦無敗(3TKO)と声価を高めてきている今回の相手は、百戦錬磨の“モンスター”にとっても容易ではない。実際、今年7月の契約合意会見の場では「今回は判定決着でもいい。しっかり勝ち星を取りに行く」と主張。形にこだわらず、とにかく勝利の身を求める考えを明らかにしていた。

 もっとも、海外メディアでは「井上の有利」の見方は揺らいでいない。英専門サイト『Boxing News247』は「ナオヤ・イノウエは、歴史的な2025年をきっちりと締めくくる」と銘打った記事を掲載。ここまで30戦無敗(27KO)という圧倒的なプロ戦績をふまえて「ナオヤ・イノウエはパウンド・フォー・パウンドで最強であるだけでなく、スーパーバンタム級の現チャンピオンであり、昨今のボクシング界において最も活動的なエリートレベルのファイターの一人でもある」と強調。現階級に転級して以来、約3年間で6戦も消化してきた事実をふまえて、その存在がいかに稀有であるかを伝えた。

 無論、同メディアもアフマダリエフの実力を軽んじるわけではない。アマチュア時代から異彩を放ってきた剛腕を「自信に満ち溢れ、果敢な闘志を持っている」と評した『Boxing News247』は、「イノウエにとって肉体的に厳しく、タフな試合になる」とも論じる。

 一方で、勝敗に関しては井上を「有利」と予測。その理由を次のように記している。

「一部の専門家は『“MJ”(アフマダリエフの愛称)がイノウエを倒す』と考えている。KOによる勝利すらあり得ると――。だが、9月14日の試合は、イノウエが自ら底力を発揮し、真の偉大さを示す場となるかもしれない。イノウエという選手はそれほど偉大で、特別だ。わずか数ラウンドでアフマダリエフをリングから追い出す可能性すらある」

 果たして、激闘必至の“名古屋決戦”はいかなる決着を見るのか。その行く末を世界中のマニアたちが見守っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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