シーズン中でも、求めている球筋がより出やすいモデルがあれば迷いなくチェンジする。蝉川泰果は、まさにクラブ再構築の真っ最…
シーズン中でも、求めている球筋がより出やすいモデルがあれば迷いなくチェンジする。蝉川泰果は、まさにクラブ再構築の真っ最中。「フレックス(シャフトの硬さ)をどんどん落としていっている。ドライバーも(TX)からXに戻して」。さらに3週前からアイアンのヘッドをすべて(4番~PW)替え、今週はシャフトの重量も5g落とした。
アイアンは、ピン「ブループリント T」から本日(4日)発売の「i240」に切り替えた。長くマッスルバックモデルを愛用してきたが、「7年ぶりぐらい」という大学当時以来のキャビティモデルへの大胆な変化だ。「i240」は、低重心と高い慣性モーメントを備えた“やさしさ”をうたうモデル。メーカー担当者によれば、現時点でツアーでの切り替えは女子プロがメインで、男子プロでは蝉川のみ使用しているという。
シャフトも、使用していた日本シャフト「NSプロ モーダス3」プロトタイプから市販モデルの「120」にスイッチ。硬さは同じXながら「全体的に軟らかくなっている感じ」という。緊張した場面で、力みによって左へのミスを減らすことが狙い。「それが上手くいき、今日もいい感じでアイアンショットが切れていた」とうなずく。
初日は6バーディ、1ボギーの「65」でプレーし、午前組ではトップの5アンダーでホールアウトした。前半15番では196ydから1mに絡めて最初のバーディ。実測210ydの16番(パー3)で3m、17番も5mを決めた。後半も7番(パー3)でチップインを決めて2回目の3連続バーディ。「いつも以上にトータルゲームが必要」という富士桜で、ショットと小技がかみ合った。
クラブの難度を段階的に落としているのは、「再来年か3年後」を見据えるPGAツアー(米国ツアー)再挑戦のため。「向こう(海外)の選手でマッスルバックを使っている選手をほぼ見なかった」ことを契機にしつつ、「基本的にカットボールを打っていきたい」という狙いにも合致しているという。
「このタフなコースで、こんなスコアが出るとは思っていなかった。100点ですね」。替えて間もないクラブもイメージ通りに働き、悪天候が予想される2日目にも晴れやかな気分で向かっていける。(山梨県河口湖町/塚田達也)