ベテランプレーヤーの矜持~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)第6回:倉田秋(ガンバ大阪)/前編 その体からメラ…
ベテランプレーヤーの矜持
~彼らが「現役」にこだわるワケ(2025年版)
第6回:倉田秋(ガンバ大阪)/前編
その体からメラメラと音が聞こえてきそうなほどの熱をたぎらせてピッチに立つ。今年で37歳になる。年齢を重ねてもなお――というよりは、年齢を重ねるほど、胸の内がダイレクトにプレーで表現されるようになった。
「(現役の)終わりが近づいているのを自覚しているからかな。この試合で結果を残せなかったらキャリアが終わる、とか。起用に応えられなかったら次はない、とか。監督のラージリストから一度でも漏れたら、『二度と公式戦のピッチに立てないんじゃないか』って危機感がエグいくらいあって、それが自分を走らせているのかも。
といっても、プレーが始まったらそんなことはいっさい忘れていますけど。とにかく勝ちたい、ゴールを取りたい、ホンマにそれだけ。だって、あのゴールを決めた瞬間の高揚感とか、アドレナリンの爆発は、プロサッカー選手にしか味わえないものやから。それを少しでも長く、多く、味わい続けるには絶対に結果がいる。そのことは毎日、毎分、毎秒、自分に突きつけています」
見事なまでに鍛え抜かれた肉体もその危機感の表われ。体も心も、最高潮。そんな状態を保ち続けることができているから、倉田秋は今もガンバ大阪の『10番』を背負っている。
倉田秋(くらた・しゅう)
1988年11月26日生まれ。大阪府出身。2007年、ガンバ大阪ユースからトップチームに昇格。2010年にJ2のジェフユナイテッド千葉に期限付き移籍し、翌年はセレッソ大阪に期限付き移籍。もともと実力の高さには定評があったが、それぞれのクラブで経験を重ねて自信をつける。2012年に古巣のガンバに復帰。以降、ガンバひと筋で、チームの主力として奮闘を重ねている。