きのう2日、盛岡競馬場で行われた不来方賞をもって、ジャパンダートクラシックに向けた前哨戦もひと区切り。今年はナチュラ…

 きのう2日、盛岡競馬場で行われた不来方賞をもって、ジャパンダートクラシックに向けた前哨戦もひと区切り。今年はナチュラルライズに史上初のダート三冠がかかるが、ライバルも虎視眈々とタイトルを狙っている。ジャパンダートクラシックまでは、まだ1カ月近くあるが、トライアルを終えた現段階で、レースに向けた勢力図をみてみたい。

 やはり中心は二冠馬ナチュラルライズ。3歳初戦の京浜盃を6馬身差で圧勝し、ダート三冠路線の主役に躍り出ると、羽田盃を5馬身差、東京ダービーを2馬身半差で完勝した。前走でも口を割って行きたがる素振りをみせたが、それでも直線は余裕たっぷりに後続を突き放した。次回も同じ大井2000mが舞台とあって、快挙の可能性は高そうだ。

 ダートグレード競走を制した2頭にも注目したい。ドンインザムードはドバイから帰国初戦の2勝クラスで6着に敗れたが、レパードSは水の浮く馬場をものともせず、初タイトルを手にした。右回りでの白星が新馬戦のみで、ジャパンダートクラシックに参戦する場合は、適性面がひとつカギになりそうだ。不来方賞はナルカミが快勝。渋った馬場だったとはいえ、勝ち時計の2分1秒2は、昨年の同レース、今年のマーキュリーCより約2秒も速く、持ち前のスピードは本番でも大きな武器になるだろう。

 地方馬もビッグタイトルを狙う。羽田盃2着のナイトオブファイアは、23年に無敗南関東三冠を達成したミックファイアと同馬主×同厩舎という縁。東京ダービーは4着に敗れたが、ひと夏を越してパワーアップを遂げ、大逆転のシーンを期待したい。代わって二冠目で地方馬最先着だったのはシーソーゲーム。JRAで新馬勝ちを飾り、今春に大井競馬へ。移籍3戦目に盛岡のダイヤモンドCで重賞初制覇を果たし、東京ダービーでは見せ場たっぷりの3着。ナチュラルライズとの約5馬身の差は、その後の約4カ月でどれほど詰まるだろうか。

 黒潮盃を制したのはマウンテンローレル。デビュー4戦目から5連勝で重賞初制覇を飾り、三冠最終戦への優先出走権を手にした。通算8戦して馬券圏内を一度も外しておらず、まだまだ底をみせていないだけに、出走するか動向が気になるところ。

 熱戦は10月8日(水)に行われる。三冠馬誕生か、ライバルの巻き返しか、地方馬が意地をみせるか。今年のジャパンダートクラシックも盛り上がりをみせそうだ。