藤川監督の卓越したチームマネジメント力も注目されている(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext …

藤川監督の卓越したチームマネジメント力も注目されている(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext
阪神は9月2日の中日戦(バンテリン)に5-3と勝利。これで貯金30に到達。マジックは一つ減らし「6」となった。
この日は3回に主砲、佐藤輝明が35号2ランを放つと余韻も冷めないうちに、「6番・遊撃」で先発したプロ8年目内野手、熊谷敬宥がプロ初アーチを放つ。
【動画】プロ8年目でたどり着いた!熊谷のプロ初本塁打をチェック
大卒8年目シーズン、昨年までは代走や守備固めでチームを支えていた選手が今季は遊撃含め、内外野の複数ポジションもこなしながら、必死に食らいついている。そんな日頃の努力を知っているだけにベンチもお祭り騒ぎ、祝福の嵐となった。
また、圧巻の貯金30には新任の藤川球児監督のチームマネジメント力が光る。
この日の熊谷含め、「7番・左翼」には先の巨人戦で今季初のスタメンでマルチ安打と結果を残した小野寺暖を起用。その小野寺は3回にヒットを放った。
またこの試合では8月31日の巨人戦の終盤のプレーで負傷交代していた中野拓夢にかわって、二塁に植田海を起用。ヒットこそ出なかったものの、好守で盛り立てると、7回先頭の打席ではしっかり四球を選ぶ。その後の大山悠輔の犠飛で5点目のホームインとチームの一員としてしっかり仕事を果たした。
今季チーム躍進の背景には、野手では高寺望夢、中川勇斗、豊田寛、ここにきて小野寺暖など、昨年まではなかなか出場機会にめぐまれなかった選手にも光を当て、選手のやる気を高め、勝利に結び付けてきた。
チームでは1-5番までは不動のレギュラーとして知られるが、積極的休養も取り入れ、コンディションを重視。後半からは遊撃、左翼がチャレンジ枠として、複数の選手が先発することでイキのいいプレーが日替わりで飛び出し、チーム力の底上げ、好循環につなげていった経緯がある。これも日頃から選手を「見続けてきた」、指揮官の眼力の確かさといえるだろう。
球団創設90周年の節目の年、阪神の新人監督が初年度に優勝を飾るとなれば史上初の快挙、貯金30も初めてのこととなる。柔軟にタクトをふるう藤川監督の下では多くの若虎が活躍の機会を待っており、今後の常勝軍団へと夢も膨らむ。
まずは最短で5日と目前に迫った優勝をいかにして迎えるか。虎のシーズンはまだまだ終わらない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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