【明治安田J1リーグ 第28節 川崎フロンターレvsFC町田ゼルビア 2025年8月31日(日)19:04キックオフ】 …
【明治安田J1リーグ 第28節 川崎フロンターレvsFC町田ゼルビア 2025年8月31日(日)19:04キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)
■絶好調の町田が抱える「不安材料」
リーグ戦9戦負けなしで一気に優勝争いに加わり、水曜日に行われた天皇杯の準々決勝では鹿島アントラーズに3-0で完勝してみせた好調・FC町田ゼルビア。しかし、この日はGKの谷晃生、CBの菊池流帆と岡村大八と、守備の中心選手が3人も不在となってしまった。
試合は前半から打ち合いとなった。マルシーニョをベンチスタートとし、佐々木旭が前に出てこない形で左サイドをふだんよりも守備寄りに設定した川崎フロンターレは、右サイドで攻撃力を発揮。
一方の町田は相馬勇紀が左サイドで猛威を振るい、同一サイドでの攻撃力のぶつかり合いとなった。
そんな中、先にネットを揺らしたのは川崎。20分に伊藤達哉がゴールを奪った。
しかし町田も、すぐにスコアを動かす。28分に相馬のクロスをナ・サンホが押し込んで同点とすると、36分には下田北斗が直接FKを決め、一気に逆転してみせた。
追いかける状況となった川崎は、中盤からの浮き球を効果的に使って反撃。岡村と菊池を欠く町田の最終ラインにエリソンの個の強さをぶつける。
前半アディショナルタイムには狙い通りの形でエリソンがフリーとなり、同点ゴールを奪った。
■悲願の「タイトル獲得」実現は?
2-2で後半が始まると、川崎は満を持してマルシーニョを投入。前半同様に河原創と山本悠樹が中央からミドルレンジのパスを供給して攻撃のペースを握ると、エリソンとマルシーニョがキャプテン昌子源に対して積極的に仕掛ける形でゴールに迫る。
65分には宮城天がゴールを決め、勝ち越しに成功した。
ところが、町田がまたしても、すぐに追いつく。相馬がクロスを入れると、飛び込んだのは藤尾翔太。クロスがそのまま吸い込まれたかのようなゴールだったが、かすかに触れており、藤尾の得点となった。
またも同点となったが、試合の行方を左右することになったのは、前半から再三繰り返されてきたエリソンと昌子の戦いだった。78分、自陣で反転したエリソンが昌子を振り切りながらアタッキングサードまでボールを運び、内側を向く。再び昌子との競り合いとなったが、それを制してゴール正面へ。町田の守備陣が懸命に戻ったが、ボールは山本、脇坂と渡り、最後はPA内のエリソンのもとへ。背番号9のこの日2ゴール目で川崎が勝ち越した。
後半アディショナルタイムは10分という長い表示に。町田はパワープレーで同点を目指すが、川崎は受け続けて逃げ切るのではなく、マルシーニョの個を生かして、とどめを刺しに行く。
90+10分、マルシーニョが左サイドから個でゴールに迫ると、流れたルーズボールを脇坂がしっかりと追いかけて懸命に折り返す。すると、ボールはゴール前のマルシーニョに渡り、これで5-3となって勝負あり。
試合後、サポーターがこの日最大の町田コールでチームを迎えると、昌子は目元を覆った。
ACLが始まり、町田はリーグ終盤戦に天皇杯とACLEが加わった3大会をこなすことになる。日程や離脱者による個々への負担増をチーム力で乗り越え、悲願のタイトル獲得を実現できるだろうか。
■試合結果
川崎フロンターレ 5-3 FC町田ゼルビア
■得点
20分 伊藤達哉(川崎)
28分 ナ・サンホ(町田)
36分 下田北斗(町田)
45+4分 エリソン(川崎)
65分 宮城天(川崎)
71分 藤尾翔太(町田)
78分 エリソン(川崎)
90+10分 マルシーニョ(川崎)