ポーンと脱力ぎみに放たれた左の蹴りに、2〜3秒遅れて突如、くの字で悶絶ダウン。直後、容赦ないヒザの追撃で圧巻のKO劇に…
“ポーン”と脱力ぎみに放たれた左の蹴りに、2〜3秒遅れて突如、“くの字”で悶絶ダウン。直後、容赦ないヒザの追撃で圧巻のKO劇に会場は騒然となった。
8月30日、後楽園ホールで開催された「RISE191」。戸田龍将(フリー)と加古大晴(team Bonds)の一戦は、開始40秒での“見た目以上に遅れて効く大ダメージ”をきっかけに衝撃のKO決着。戸田が三日月蹴りで時間差ダウンを奪うと、そのまま左ヒザを突き刺して連続ダウンを重ねてKO勝利。開始わずか1分で試合を終わらせた。
20歳でRISE Nova全日本大会優勝の実績を持つ戸田に対し、加古はまだ15歳。7月の「KNOCK OUT」でプロデビューを果たしたが敗戦を喫し、この日はわずか1カ月での再起戦となった。
開始直後、上背で勝る戸田がカーフやミドルを織り交ぜてパワーの差を示す。リング中央での攻防の中、脱力気味に軽く踏み込んで放ったのが三日月蹴りだった。
数秒遅れてきた衝撃に加古はお腹を押さえて“くの字”に悶絶。蹴りの精度もさることながら、ディレイ気味に効く一撃に苦しむ15歳の姿に、観客からも「あー」「効いてる」「もう無理だな」と反応が漏れる。苦悶の表情を浮かべつつ立ち上がった加古に対し、戸田はボディへのパンチと左ヒザで追撃。一度効いた箇所を狙い撃つ無慈悲な攻めに加古はマットに転げ回り、ここでレフェリーが試合をストップした。
最初のダウンがクリティカルヒットとなりダメージが大きかっただけに、観客からは「よく立った」との声援の一方で、「15歳はまだ早いよ…」「下を向かないと耐えられないくらい痛かったな」など同情的な声も多く寄せられた。
勝利した戸田は、5年間所属したTRY HARD GYMを離れてからの初戦。「次はランカーと戦いたいです。必ずKOで勝つので」と力強くアピールし、「来年はチャンピオンに」と高らかに目標を掲げた。なお解説の一馬は「三日月もそうだが全体的にボディへの攻撃は今まで無かった。フリーになってトレーナーと準備して成長して帰ってきた」とその進化を称賛し、今後への期待を寄せた。