「FM選手権」2日目のラウンドは3度の雷雨中断に見舞われた。この影響で竹田麗央は3日目に、第2ラウンドの残り14ホールと…

「FM選手権」2日目のラウンドは3度の雷雨中断に見舞われた。この影響で竹田麗央は3日目に、第2ラウンドの残り14ホールと予選通過後の第3ラウンドの18ホールの計32ホールをプレーした。なかなかの長丁場だが、それすら短く思えるような出来事が今年の米女子ツアー(LPGA)で起こっていた。
男子メジャーの「マスターズ」前週にネバダ州ラスベガスで開かれた「Tモバイルマッチプレー」は水曜~金曜に予選ラウンドとして1日1マッチをプレーし、各ブロックで勝ち残った1選手が土曜からの決勝マッチに進むフォーマット。土曜は午前にベスト16選手が8マッチに分かれて対戦し、勝ち残った8選手が午後の4マッチを行う。事件は土曜午前のマッチで起こった。

午前8時にスタートしたセリーヌ・ブティエ(フランス)とアシュリー・ブハイ(南アフリカ)とのマッチは18ホールを終えて決着せず、プレーオフに突入。プレーオフ1ホール目はクラブハウスにほど近い13番ホールから始められたが、18番(6ホール目)を終えてもお互いに譲らない。

再び13番へ戻り、7ホール、8ホール目…と進んだが、ドローのままこの日3度目の16番(10ホール目)まで到達。ここでボギーを喫したブハイに対し、ブティエがパーパットを沈めてついに勝負あり。時刻は午後3時5分。すでにマッチ開始から7時間が経過し、ブティエは28ホールをプレーしていた。

喜びも束の間、わずか30分間の休憩を挟み、午後3時40分からマデレーネ・サーストレム(スウェーデン)との準々決勝に臨んだ。ブティエは気力で好プレーを続け、17番まで進んでオールスクエア。なんと勝敗が決まらないまま、日没サスペンデッドとなった。

ブティエがこの日プレーしたホール数は「45」に及んでいた。10ホールのプレーオフはLPGAのマッチプレーでは新記録。ストロークプレーでも記録が残っていない。
翌朝に再開したマッチは18番でも決せず、プレーオフへ。1ホール目でブティエがボギーをたたいて敗退したが、同情の声が多く寄せられたのは言うまでもない。

ちなみに、この時キャディをしていたのは、現在は韓国のユン・イナのバッグを担ぐベテランのコリン・カーン氏。一番しんどい思いをしたのは、バッグを担いで歩き続けたキャディだったのかもしれない。(JJ田辺カメラマン)