井上との大一番に向け、すでに来日して調整を続けているアフマダリエフ(C)Getty Images 世界最強と称される「怪…

井上との大一番に向け、すでに来日して調整を続けているアフマダリエフ(C)Getty Images

 世界最強と称される「怪物」との大一番を前に、自信は漲っている。

 来る9月14日に名古屋のIGアリーナで、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)との王座戦に臨むWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)は、現地時間8月31日に米老舗誌『Ring Magazine』のインタビューに登場。名古屋決戦に向けた心境を打ち明けている。

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「ついにイノウエと戦う機会を得た」

 血気盛んな30歳は、高ぶる感情を抑えるように語った。23年4月にマーロン・タパレス(フィリピン)とのWBA&IBF同級王座戦に敗れて以来、アフマダリエフは3戦無敗(3TKO)。声価を確実に取り戻してきた。

 そしてついに「最強は最強と戦うべき」とも豪語していたベルトを取り戻す機会を得たわけである。当然ながら井上は現階級のみならず、各国メディアのパウンド・フォー・パウンドでも1位に位置付けられるもする「最強」の王者。ゆえにアフマダリエフに抜かりは微塵もない。「この位置に就くために一生懸命練習してきた。だから、試合当日は最高の自分を見せたい」と意気込む元世界王者は、こう力説する。

「今の自分の仕事は彼(井上)を倒すこと。そのために全力を尽くすつもりだ。自分はどんな階級でも最高レベルで戦えるだけの力は持っている。俺は世界に、自分こそが最強であることを証明するつもりでいる。もちろん、イノウエは完璧な男で、あらゆるスキルを持っている。でも、それは俺も同じだ。リングが全てを示す。リングの上でのことは決して嘘をつかない」

 さらに「どちらかがクリーンパンチを食らえば、ノックアウトは確実だ。打ち合いの真っ向勝負になれば、間違いなくKO決着になる」と、数多の猛者を沈めてきた井上のパンチに警戒を強めたアフマダリエフは、敵地日本での試合開催にも「リングは世界のどこでも同じだ」と意に介さず。その上で、対峙する絶対王者への敬意を示している。

「イノウエはなぜ自分が最強のファイターの一人であるかを証明している。彼の功績は当然の結果であり、俺は彼にただただ敬意を抱いている。だけど、これはボクシングだ。たった一つのパンチで試合の流れは変わってしまう可能性もある。だからこそ、俺はこのスポーツを愛している。現時点で俺は試合に関して何か大げさな約束はできないが、当日に何をすべきかは分かっている。イノウエに勝つために全力を尽くせると信じている」

 対する井上も「やっぱりアマチュアのキャリアや技術がある選手は、ビッグマッチの時に全てを変えられる力を持っていると思う」と警戒を強める一戦は、いかなる結末を見るのか。互いに心身を極めた中で迎えるであろうゴングの瞬間が待ち遠しい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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