■後半開始からギアをあげて勝ち越し弾【J2リーグ第28節 8月30日 19時03分キックオフ 千葉 2ー1 甲府 フク…

■後半開始からギアをあげて勝ち越し弾

【J2リーグ第28節 8月30日 19時03分キックオフ 千葉 2ー1 甲府 フクダ電子アリーナ】

 J1自動昇格圏の2位・ジェフユナイテッド千葉が、ホームでしぶとく勝利をつかんだ。

 J2リーグ第28節が8月30、31日に開催され、30日、千葉は10位のヴァンフォーレ甲府とホームで対戦した。千葉は前半17分に先制されるが、25分に同点とする。しかし、前半は甲府に何度も際どいシーンを作られ、シュート数は4本対13本だった。

 前半に主導権を握られたチームは、後半開始からパワーを注いでいくものだ。千葉はまさにそうしたスタンスで後半に入り、48分にスコアを動かす。左サイドからボランチの田口泰士がクロスを入れ、相手DFにクリアされたボールをFWカルリーニョス・ジュニオが正面からゴールエリア内右のMFイサカ・ゼインへパスを通す。イサカのワンタッチシュートは右ポストに弾かれるが、跳ね返りを慌てずにプッシュする。これが相手DFに当たってゴールへ吸い込まれた。

 2対1とリードを奪った千葉は、甲府のヴァウ・ソアレスへの包囲網を張りめぐらせていく。前半は何度も縦パスを刺し込まれたこのブラジル人ボランチに対して、前半同様にダブルボランチの田口とエドゥアルドが対峙し、前半以上に素早くアプローチした。甲府の背番号48は61分で退き、千葉はリードしたまま時間を進めていく。

 ヴァウ・ソアレスの交代前に、カルリーニョス・ジュニオが勝利へのこだわりを見せる。FW森海渡と相手CBが交錯した瞬間に、誰よりも早く反応してボールを収めた。チームはカウンターを回避でき、ボールを保持し、この流れからフィニッシュへ持ち込むことができた。試合の流れから見れば、小さなプレーに過ぎないだろう。それでも、価値のあるプレーだった。

 20年から24年まで在籍した清水エスパルスで、カルリーニョス・ジュニオはJ1自動昇格を逃した経験と、1位でJ1自動昇格を果たした経験をしている。勝点1の重みを知るブラジル人は、勝負のポイントとなる場面を心得ている。

■千葉は勝点2差で首位・水戸を追う

 交代選手の投入でプレー強度を維持した千葉は、2対1のまま逃げ切ることに成功した。首位の水戸ホーリーホックが引分けたため、勝点差を「4」から「2」に縮めている。

 千葉の後方からは、V・ファーレン長崎が猛追してきた。今節は藤枝MYFCを2対1で退け、高木琢也監督就任後の不敗記録を「9」とした。

 過去3シーズンの長崎は、8月の成績がふるわなかった。22年は2敗、23年は1勝2分1敗で、昨年は2分3敗だった。8月の5試合を含めて24節から30節まで7試合連続で勝利から遠ざかり、それが勝点1差でJ1自動昇格を逃す原因となった。

 今シーズンは8月の5試合で4勝1分の好成績を残し、勝点51で千葉に並んだ。残り10試合で5位のRB大宮アルディージャ、2位の千葉、7位のジュビロ磐田、首位の水戸、それに4位の徳島ヴォルティスとの直接対決を残す。難しいカードが多く控えているとも言えるが、いまの長崎は「自分たちの手でライバルを蹴落とせる」というメンタリティに違いない。

 J2リーグは残り10試合となり、各チームの立場が徐々にはっきりしつつある。下位3チームがJ3に自動降格するJ2残留争いでは、最下位の愛媛FCが勝点「17」で、J2残留圏の17位の大分トリニータが「29」である。残り10試合で勝点「12」差は、もはや危険水位だ。愛媛は追い込まれている。

 18位の富山は勝点「23」で、19位のレノファ山口FCは勝点「22」である。愛媛だけでなく富山と山口も、追い詰められつつある。下位チームにとってのラスト10試合は、一戦必勝のトーナメントの様相を呈す。

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