【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返る新潟記念【Pick Up】シランケド:1着…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返る新潟記念
【Pick Up】シランケド:1着
父デクラレーションオブウォーは、日本軽種馬協会静内種馬場に繋養されています。今年に入って重賞4勝目。シランケドが中山牝馬Sと新潟記念を、トップナイフが札幌記念を、セキトバイーストが府中牝馬Sを勝ちました。
2025年の種牡馬別JRA平地重賞勝利数は、1位ロードカナロア=9勝、2位キズナ=6勝、3位レイデオロとデクラレーションオブウォー=4勝、という順位。デクラレーションオブウォーはこれまで社台グループの繁殖牝馬とほとんど交配しておらず、とくにノーザンファーム生産馬はわずか1頭しかデビューしていません。それを考えればきわめて立派な数字であり、前述の重賞勝ち馬はすべて日高の生産馬です。
先々週、日高郡新ひだか町で開催されたサマーセールでは、ハクレイファーム生産のデクラレーションオブウォー産駒「マーレグリーンの2024」が5000万円(税抜)の最高価格で落札されました。ヨーロッパやオーストラリアでもビッグレースの勝ち馬を出してきた実力派種牡馬が、ようやく日本でも正当な評価を獲得しつつあるのは喜ばしいことです。
デクラレーションオブウォー産駒の成績は、芝50勝、ダート54勝とほぼ拮抗。芝・ダート兼用タイプといっていいでしょう。ただ、シランケドと同じく母の父にディープインパクトを持つ産駒は、芝14勝、ダート2勝と芝向きとなる傾向が見て取れます。この配合は芝2000mに限ると連対率40.0%(35戦14連対)と圧倒的。この先も芝2000m戦では目が離せません。
◆血統で振り返る中京2歳S
【Pick Up】キャンディード:1着
トーセンラー産駒の重賞勝ちは、ザダル(エプソムC、京都金杯)、ドロップオブライト(CBC賞)に次いで3頭目。同産駒の2歳戦連対率はわずか6.9%と、決して早くから活躍するタイプではなく、2歳戦だけで2勝を挙げた馬はこれまでいませんでした。
新馬-中京2歳Sを連勝したキャンディードは、母の父スパイツタウンの影響が強いと思われます。アメリカで供用された仕上がり早のスピード血統です。現役時代、BCスプリント(米G1・ダ6ハロン)など4つの重賞を制覇。引退後は種牡馬として大成功しました。日本ではモズスーパーフレア(高松宮記念)、リエノテソーロ(全日本2歳優駿)、マテラスカイ(プロキオンS、クラスターC)などの父として知られています。
本馬はマイル前後で本領を発揮するタイプで、朝日杯FS→NHKマイルCの路線がベストでしょう。