オランダGPで久々にポイントを手にした角田(C)Getty Images 巻き返しに向けた価値あるポイントとなるのか。 …

オランダGPで久々にポイントを手にした角田(C)Getty Images
巻き返しに向けた価値あるポイントとなるのか。
現地時間8月31日、F1の今季第15戦オランダGPの決勝がザントフォールト・サーキットで行なわれ、レッドブルの角田裕毅は今季最高位に並ぶ9番手に入賞した。ポイント獲得は、10番手に入った今年5月のエミリア・ロマーニャGP以来、8戦ぶりだった。
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度重なるセーフティーカーの導入に加え、53周目に「アクセルペダルを踏んだまま戻らない」(角田本人の無線より)というマシンアクシデントにも見舞われ、苦難が続いた角田。しかし、それでも陣営の冷静なフォローもあって終盤までポイント圏争いに食らいつくと、70周目に10番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)をオーバーテイク。さらにフィニッシュ直後に6番手のキミ・アントネッリ(メルセデス)がタイムペナルティを科されて降格したため、9位に繰り上がった。
レース後にF1の公式フラッシュインタビューに応じた角田は、「大きなトラブルがあって、とても難しい状況だった。展開的にかなり厳しい戦いだった」と告白。さらに「正直に言えば……普段は9位なんて特別なことだなんて感じないけど、今日の結果は今後の自信に繋がると思う」とも明かした。この本音とも取れる発言はレースの過酷さを物語った。
そんなし烈な戦いで、マシントラブルに見舞われながら結果を手にしたのは、角田のポテンシャルの高さを示しているとも言えよう。
実際、元F1ドライバーからは、極めて厳しい状況にある角田を慮る声も発信されている。かつてスーパーアグリなどで活躍し、日本でも馴染みのあるアンソニー・デビッドソン氏は、『Formule1 Magazine』において「明らかに、レッドブルの車は非常に操縦が難しい」と指摘。「だが、マックスは問題を抱えた車でも走りこなせる。全てではないにせよ、ね。彼は他の誰にも見つけられないマシンパフォーマンスを引き出し、限界ギリギリで走るが、決してそれを超えはしない」とし、レッドブルにおける“特殊事情”を分析している。
「もしも、マックスがレーシングブルズ(姉妹チーム)で、ユウキのチームメイトだったらどうなるのか。これは興味深いよ。その場合、彼らの差はもっと小さくなるだろう。『RB21』(レッドブルの今季マシン)は非常に繊細であるがために、ユウキとリアム(・ローソン=現レーシングブルズ)は、マックスに比べると『二流ドライバー』のように見えてしまう。でも、実際はそうでなく、ただ置かれている現実がそう見せているに過ぎないんだ」
デビッドソン氏をはじめとする多くの識者が嘆くほどの操作困難なマシンに苦心しながら、何とかポイントを手にした。オランダGPでの結果は、角田にとってレッドブル残留に向けた逆襲の試金石となるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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