◇国内女子◇ニトリレディス ゴルフトーナメント 最終日(31日)◇北海道CC大沼C(北海道)◇6955yd(パー73)…
◇国内女子◇ニトリレディス ゴルフトーナメント 最終日(31日)◇北海道CC大沼C(北海道)◇6955yd(パー73)◇曇り(観衆1700人)
鈴木愛が30代初優勝となるツアー通算21勝目を挙げた。優勝会見では昨年3月「Vポイント×ENEOS」以来のタイトルを喜ぶ一方、2017年と19年の賞金女王が肌で感じる国内女子ツアーの“変化”を語った。
過去6度だけだった最終日の逆転劇。最終組の4組前で「68」を出して3打差をひっくり返した。「3打差は本当ならきつかったでしょうけど、ここ数週間の(トーナメントの)傾向を見ていて“全然行けるな”と思っていました。私的には良かったですけど…」。優勝ラインがそれほど上がらないと踏んでいた。
今季は国内女子ツアーから竹田麗央、山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜が消えた。「めっちゃアグレッシブ。“よう攻めてくるな~”って感じ」と感心する4人だからだろう。「最終日に最終組にいてバーッと行く選手が少ない」と語った感想は説得力があった。鈴木は4人がツアー全体のスコアを引っ張り、押し上げていたと思っているわけだ。
アグレッシブさを示すのに最も適当なデータは、平均バーディ数(1ラウンドあたりのバーディ数)だろう。昨季は1位・山下が4.3394、2位・竹田が4.2842、3位・岩井明愛が4.2842、4位・小祝さくらが3.9815、5位・岩井千怜が3.9231と3.9以上が5人もいた。ところが今季は1位の神谷そらが現時点で3.7761。自然相手だけに絶対的な比較ができないにしても、減りすぎだ。近年の競技ゴルフはより高いバーディ奪取能力が問われるようになっているだけに、ちょっと寂しい話ではないか。
「セーフティもいいと思います。ただ私はアグレッシブな方がやってる人も、見てる人も面白いと思う。同じパープレーでもパー、パー、パーと続くより、バーディ、ボギー、バーディ、ボギーみたいに」。30代になっても、アグレッシブでいたい。だから、鈴木はなるべくピンまで届くクラブを持つよう心掛ける。そのスタイルのまま通算30勝にたどり着き、2004年の不動裕理以来20年以上も誕生していない7人目の永久シード選手になりたい。それがハイレベルなツアーで達成できたら最高だろう。
「つまんないゴルフはしたくないんです」
ともすれば、誤解を招きそうな激しい言葉は、昨季から変質した国内女子ツアーへのメッセージ。鈴木の平均バーディ数は昨季の3.6810から3.7424に増えている。(北海道七飯町/加藤裕一)