ポルトガルでのF1開催に同国首相も乗り気だ(C)Getty Images ポルトガル政府が早ければ2027年にF1ポルト…

ポルトガルでのF1開催に同国首相も乗り気だ(C)Getty Images

 ポルトガル政府が早ければ2027年にF1ポルトガルGPを復活開催したい意向を示した。同国のモンテネグロ首相がアルガルベサーキットでの開催を目指していると明かし、「2027年にF1をアルガルべでの復活開催を正式承認する準備はすべて整っているといえる」と話した。

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 ポルトガルでの最後のF1は2021年で、新型コロナウイルスの感染拡大で欧州、中東だけの短縮スケジュールとなり、ポルトガルGPが前年の2020年からアルガルベサーキット(ポルテマオ)で代替開催された。

 F1世界選手権としての初開催は1958年(場所はボアビスタサーキット)で、翌59年に首都リスボンの市街地サーキットで実施された後、60年は再びボアビスタで開催された。その後はエストリルサーキットで1984~1996年に実施された。

 懸念されるのは高騰する開催権料で、現在は年間90億円以上が相場。最近ではマレーシアGPの復活開催を目指していたセパンインターナショナルサーキットがF1の商業圏を統括する米メディア大手のリバティメディアから約3億リンギット(約105億円)をふっかけられ、開催を断念したといわれている。

 ポルトガルのモンテネグロ首相も「このようなイベントには政府側がらある程度財政面で努力する必要があるが、直接的な収入と宣伝、広告効果などの間接的利益もあり、F1開催にはそれだけの価値はある」と前向きな姿勢を示した。

 今季は年間24戦でレース数を増やすのが難しいことから今後はかつて世界ラリー選手権でも採用されたローテーション開催が導入され、一部グランプリは隔年開催となる見通し。ポルトガルGPもその点に目を付けているもようで、開催権料のディスカウントを狙っているという。

 F1は米国、中東を中心に欧州外のグランプリ開催を強く推し進めているが、欧州でファンを定着させるのも至上命題。一定数、欧州内でグランプリを確保する必要はある。さらに各チームにとっても空路や船便で機材を遠征先に移送するよりも、トレーラーを使って欧州のサーキットに陸送させた方が輸送コストはかからず、その分を他の費用にかけることもできる。F1にとっても環境面に優しいというメリットがある。

 2020、21年もアルガルベサーキットで無事にF1を開催することができ、当時メルセデスのルイス・ハミルトン(英国)が2年連続優勝を飾った。2年に1回という条件開催とみられるが、契約に至れば、F1カレンダーから長らく外れているドイツやフランスを復活させる足掛かりにもなる。ポルトガルGPの開催が将来のF1の試金石となるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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