中野(左)に同点2点タイムリーを浴びた巨人・中川皓太(C)産経新聞社 巨人は8月31日の阪神戦(甲子園)に4-5で競り負…

中野(左)に同点2点タイムリーを浴びた巨人・中川皓太(C)産経新聞社

 巨人は8月31日の阪神戦(甲子園)に4-5で競り負けた。2024年7月から7連敗中だった阪神先発の才木浩人を攻略し、一度は逆転に成功したが、直後にマウンドに上がった巨人3番手・中川皓太が誤算だった。

【動画】諦めない勝利 2025年8月31日 【阪神 vs 巨人】 佐藤義則の眼

 その中川は3-1の7回裏から登場。今季すでに4年ぶりの50登板以上を果たしている信頼度十分の31歳左腕は、先頭の小野寺暖に中前安打を許したが、続く坂本誠志郎、代打・中川勇斗を連続三振に仕留めた。

 しかし、1番・近本光司に39打席ぶりの安打となる左翼線二塁打を喫すると、一気に崩れた。2番・中野拓夢を2球で追い込みながら、中堅・オコエ瑠偉のグラブをはじく中前2点打(記録は二塁打)を浴び、追いつかれた。

 さらには3番・森下翔太、4番・佐藤輝明にも連続長打を食らい、この回4失点。再逆転を許すと、巨人にリードを奪い返す力は残っていなかった。

 経験豊富なサウスポーに対して「ボールも、身体のキレも全然なかった」と手厳しかったのが、現役時代は阪急、オリックスで活躍し、阪神を含めセ・パ5球団で投手コーチを歴任した佐藤義則氏だ。

 名伯楽は9月1日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「ただキャッチャーの出したサインに投げていた感じ。だからコースも甘いし、球の勢いもない」「気持ちが見えなかった」と断じた。

 もともとポーカーフェイスで投げるのが中川の特徴ではあるが、味方の得点直後に、失点を重ねるのが、今季の巨人の阪神戦において目立つ場面だ。「点を取ったら、すぐ取られる。取ったらすぐ四球を出す」と指摘し、「ふがいない」と残念がった。

 また、逆転された後も、中川がイニング終了まで続投したことについても「4本も長打を打たれて変えないのは、諦めたのかなと思っちゃう。ベンチには、いっぱい投手がいるはずなのに。残念な結果ですよ」と嘆きが止まらなかった。

 今季の“伝統の一戦”は、ここまで阪神が17勝7敗と圧倒。クライマックスシリーズでの対決の可能性はあるものの、名伯楽からも突きつけられた課題を解消できなければ、巨人はその差を簡単には埋められないはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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