進化の停滞は悪化を意味する。PGAツアー最高峰の選手たちでさえ、常に進化の方法を模索している。世界ランキング1位のスコ…
進化の停滞は悪化を意味する。
PGAツアー最高峰の選手たちでさえ、常に進化の方法を模索している。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーは弱点を強みに変え、パッティングのスタッツを大幅に上昇させた。またも圧倒的な1年を送った彼は、ストロークゲインド・パッティングでキャリアハイとなる20位にランクインした。
シェフラーは今季、ストロークゲインドのスタッツ4項目でトップに君臨した。彼のことをいったん傍へ置くとすると、「最も進化を遂げた」のは果たして誰だったのだろうか。
ドライバー
「全米オープン」でメジャー初制覇を遂げたJ.J.スポーンはキャリア最高の1年を送り、米国選抜の一員として「ライダーカップ」でのデビューを果たそうとしている。スポーンが土砂降りのオークモントCCで全米オープンを制覇した際、最も多くの見出しを飾ったのはパターについてだったが、実は彼のスタッツで最も大きな伸びを見せたのはドライバーだった。
スポーンは2025年、ドライバーショットを向上させるべく、タイトリストGT3を使用した。この選択は奏功。35歳は2024年に121位としていたストロークゲインド・オフ・ザ・ティのスタッツを、25年はキャリア最高の40位まで押し上げたのである。
スポーンが初めてGTドライバーを実践投入したのは、昨夏の「ロケットクラシック」だ。この時はGT2ドライバーを使用し、ボール初速の向上を目の当たりにした。速度アップは果たしたものの、依然としてスピン量の微調整を模索していたスポーンはその数大会後、最終的に全米オープン制覇を果たすことになる低スピンタイプのGT3に乗り換えた。
ドライバーショットの向上はモデルを変えたことに加え、シャフトの変更によるところも大きかった。スポーンは2025年初頭、シャフトをそれまでの藤倉コンポジット ベンタスブルー7X から新型の藤倉コンポジット ベンタスブラック ベロコア+ 6Xへと変更。低打ち出しと低スピンのシャフトを手に入れ、大躍進を遂げた。
新しいヘッドとシャフトで数値を最適化することで、ティショットの平均飛距離は4ヤード以上伸びた。高い精度と新たに伸びた飛距離により、スポーンはメジャー王者というエリートクラブの仲間入りを果たしたのである。
アイアン
ジャスティン・ローズは華々しいやり方で勝者の輪へ返り咲いた。3ホールに及ぶプレーオフで前述のスポーンを退け、「フェデックス セントジュード選手権」を制覇した。この際、ローズはコースでのテストを実施することなく、キャロウェイの パラダイムAiスモーク トリプルダイヤモンドマックス ドライバーを実戦投入した。このため、話題の中心はこのドライバーとなったのだが、実はローズがツアー12勝目を挙げた最大の要因は2025年に飛躍を遂げたアイアンプレーだった。
ローズはタイトリスト620 CBのロングアイアンと三浦技研MC-502のショートアイアンを組み合わせた複合セットを使用することで、最高の調子を取り戻した。昨季は143位だったストロークゲインド・アプローチのランキングを、2025年は49位とトップ50圏内まで押し上げたのだ。
用具契約フリーのローズは、自身の好みに応じて様々なメーカーのクラブを試すことができる。2024年はタイトリストT100と620 MBアイアンの複合セットを使用したが、2025年は日本製鍛造マッスルバックの三浦アイアンのフルセットでスタートを切りつつ、途中で4番から6番は寛容性の高いタイトリストのCBアイアンに変更した。
タイトリストでツアープロモーションを統括するリアム・マクドウガル氏は「CBはローズの望んでいたターフの抜けを実現しました。最終的には、彼の求めていた弾道と寛容性をもたらしたのです」と述べた。
ローズは使用するボールもタイトリスト プロV1xレフトドットから2025年モデルのプロV1xへ変更し、最適なスピン量を手にすることでアイアンプレーの向上を果たした。
ローズはボールについて「タイトリストの製造する最も低スピンのモデルから、最もスピン量の高いモデルまで試した。グリーン周りでスピン量が多く、ショートアイアンで美しいスピンを発揮する最高の組み合わせになったよ」と述べている。
グリーン周り
まもなく開幕する「ライダーカップ」へ向け、最終的にキャプテンのキーガン・ブラッドリーは自身を選手に選出しなかった。とは言え、ゴルフ界は数カ月の間、彼が1963年のアーノルド・パーマー以来の選手兼キャプテンになるのではないかと注目してきた。ブラッドリーは全体的な進化により、そうできる立場にあったのだが、最も大きな飛躍を遂げたの、グリーン周りのプレーだった。
ブラッドリーはシーズン開幕に際し、ウェッジをクリーブランドのRTZツアーラックへ変更した。これはZアロイと呼ばれる新しいスチールの使用されたモデルであり、クリーブランドによると、低密度素材によりこれまでのモデルに比べて10%柔らかくなった。また、ブラッドリーはウェッジのモデルだけでなく、番手間のギャップも変更したという。
スリクソンゴルフでツアーオペレーションを統括するマイケル・ジョリー氏は「このモデルへ乗り換えた選手たちは、新素材によりグリーン周りのスピンと、特に打感が向上したと口をそろえます。ブラッドリーはこれまでずっと52度と58度を使用しており、番手間のギャップも常に同じでした。ただ、このオフシーズンに多くの時間を費やした56度を導入しました」と話した。
2025年に入り、ブラッドリーは51度、55度、60度のウェッジセットアップへと移行した。新たにウェッジ1本を加えつつ、ロフトの最も大きいウェッジのバウンスを低くすることで、グリーン周りでより多くのオプションを手にした。昨季88位だったストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーンは7位と大幅に上昇した。
パッティング
今年はシーズン開幕前から、キャメロン・ヤングのプレーに関する疑問が飛び交っていた。果たして彼は、その卓越したボールストライキングに匹敵する、ツアーレベルのパッティングを展開することができるのかと。彼は「ウィンダム選手権」で初優勝を遂げ、この疑問に堂々と答えて見せた。
ヤングの自分に合うパター探しの旅は、今季序盤の「コグニザントクラシック」で始まった。それまでスコッティキャメロン ファントム5.5ツアープロトタイプパターを使用していたが、当時リリースされたばかりの9.5モデルを試した。セットアップでの感触を気に入り、パターのストローク中の挙動を確認するべく、いくつか異なるスタイルのネックをテストした。
スコッティキャメロンのブラッド・クローク氏は「彼にとって大きかったのは、異なるベンド、異なるネック、そして異なるパターの座りを試してみることで、9モデルの座りに感触を得たのです。最終的に、あの少しフローネックになったジェットネックに落ち着き、そこからはとんとん拍子でした。彼にとってあのパターのセットアップの具合や、毎週変わらない座りの良さは、芝の種類やグリーンの傾斜に違いがあっても、パターを置いて、ラインを合わせ、あとはストロークするだけだという自信を与えたのだと思います」と述べている。
ヤングはトウハングが強めの短いスラントネックのスコッティキャメロン ファントム9.5ツアープロトタイプに落ち着いた。新しいパターを手にしたヤングは、ストロークゲインド・パッティングを132位から一気に6位まで押し上げると、地元で開催される「ライダーカップ」の選抜チーム入りを果たしたのである。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)