近本はこのところ、当たりが止まっている(C)産経新聞社 阪神は8月30日の巨人戦(甲子園)に3ー2と勝利。優勝マジックを…

近本はこのところ、当たりが止まっている(C)産経新聞社

 阪神は8月30日の巨人戦(甲子園)に3ー2と勝利。優勝マジックを「9」とした。

 1-1で迎えた3回一死一、三塁の場面、主砲・佐藤輝明は相手先発・井上温大のスライダーに泳がされながらもしっかり右前に運び、勝ち越しタイムリーをマーク。

【動画】主砲・佐藤輝明が井上の低めの変化球をしっかり捉えて適時打を放つ

 チームはその後、同点に追いつかれるも2-2で迎えた5回二死満塁の場面で、熊谷敬宥がしっかり押し出し四球を選び、勝ち越し。3-2とリードした6回以降はラファエル・ドリス、及川雅貴、石井大智、岩崎優と鉄壁の救援陣で虎の子の1点を守り切り、僅差の勝負をものにした。 

 一方で最近のゲームで心配されているのは、チームが誇るリードオフマン・近本光司の不振にもある。

 最近のゲームでは積極的休養をはさみつつも、自己ワーストを更新する35打席連続無安打を記録するなど、8月は月間打率.223(30日現在)と苦しんでいる。

 この日は5打席中、3つの打席で四球を選ぶも、3回の第2打席は空振り三振、7回の第5打席も中飛に倒れた。2打数無安打と快音は響かなかった。

 近本といえば今季、国内FA権を取得。過去には5度の盗塁王、最多安打のタイトルも獲得と球界を代表するスラッガーとして知られるだけに仮に宣言すれば、複数球団による争奪戦に発展すると見られている。

 そんな近本の現状に言及したのは30日の試合にニッポン放送「ショウアップナイター」で解説を務めた岡田彰布前監督、現オーナー付き顧問だった。

 3回の第2打席、井上のスライダーに空振り三振に倒れると「近本は当分打てないね。(シーズン後半は)いつも悪い。バテだね」と指摘。

 さらに調子のバロメーターとして目を向けたのは、持ち味の足だった。
 
 「後半、盗塁もできないんですよ」としながら、続けて「素振りを見ても上半身だけで振る。下半身が使えないんでしょうね」と不調の背景を独自の目線で分析してみせた。

 その後、四球で出塁した場面でも「近本、走らないね。無理しないな」「走らないというより、走れない」と終始、気にする様子も見せた岡田顧問。

 チームの戦い方としては1番近本、2番・中野拓夢がしっかり塁に出て足をからめながら、クリーンアップにつなげていくのが一つのスタイルになっていたことで今後の影響も心配される。

 コンディション管理には常に気を配る藤川球児監督もどのような采配で優勝に向かうナインの背中を押していくのか、引き続き注目を集めていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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