◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 3日目(30日)◇芥屋GC(福岡)◇7293(パー72)◇晴れ(観衆782…
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 3日目(30日)◇芥屋GC(福岡)◇7293(パー72)◇晴れ(観衆7820人)
平均気温は30℃を超え、湿気で汗が止まらない真夏の芥屋で、最終18番に入るころにはヘトヘトだった。つりそうな脚をこぶしでトントン叩きながら、なんとか歩く。「オジサンたちがラウンドして、2日目くらいで疲れるっていうのが、なんとなくわかった気がする」。6月に47歳になった2014年の賞金王・小田孔明。26年のキャリアで初めて気づくこともあるものだ。
2023年に、15シーズン継続してきた賞金シードを喪失。昨年は『生涯獲得賞金25位以内』の資格でツアーに出たが、賞金ランキング101位でシード復活はかなわなかった。昨年末のファイナルQTは78位に終わり、今季は推薦や予選会からの出場になる。レギュラーツアーは4月「前澤杯」以来の2試合目。転戦がない日々は少し寂しい気もするが、ネガティブなことばかりではない。
「毎日、大谷を観てるよ。それが唯一の楽しみだから(笑)」というのは半分冗談。尊敬するツアー16勝の伊澤利光とほぼ毎日ラウンドや練習を行い、地区オープンなどに参戦しながらゴルフの腕を磨いている。「広島とかで、45歳以上の試合では優勝してるんです」と元気に笑う。環境は変わったが、ゴルフ漬けの日々は同じだ。3年後のシニアツアーデビューに向けて必要なことも、より明確になって来た。
「20年くらいずーっとツアーに出ていたから、こういう休む期間も必要。体を休ませないと、シニアに行く頃には疲れちゃうから」。40代後半といえば、体力面では若手との差も目についてくる。かといって、シニアツアーに出場できる50歳までは時間がある“はざま”の期間。「無理をしてツアーに出ても、ゴルフがグチャグチャになる」と、来季出場権を競う予選会(QT)の挑戦は見送る予定。いまはシニアで結果を出すために、ゴルフを仕上げている最中だ。
おかげで、久々のトーナメントでもショットの調子は悪くない。初日を16位で滑り出すと、28位で迎えた3日目はフェアウェイキープ率78.6%(11/14)でフィールド1位。衰えないショットを武器に5バーディを奪ったが、体力面だけはいう事を聞かなかった。「最近(ラウンドで)歩いていなかったから、久々に歩いたら股関節も痛くなってきて。スポット参戦でやると、こんなに疲れるんだ…」。暑さもあいまって、どんどん減っていくスタミナに負けて6ボギーをたたき「73」。通算4アンダー42位で迎える最終日は、「一緒に回る人に、迷惑をかけないように」とまず回りきることが目標だ。
レギュラーツアーの次戦は未定だが、ひとまず「日本オープン」(10月16~19日/栃木・日光CC)の最終予選には出る予定。「シニアに向けて、あと3年はボチボチやろうかな」と話した。ちなみに、シニアツアーでは本戦でカートが使える大会もある。「でも、それまでには、ちゃんと歩けるようにしないとね」。あと1日、真夏の芥屋を歩き切れたら、怖いものはなにもない。(福岡県糸島市/谷口愛純)