元プロ野球選手の森山周(まこと)さん(44)が8月29日、宮城県警察学校(名取市)で、プロの責任や自覚について話した。…

 元プロ野球選手の森山周(まこと)さん(44)が8月29日、宮城県警察学校(名取市)で、プロの責任や自覚について話した。今年採用された警察官ら約100人が熱心に耳を傾けた。この時期に元プロのアスリートを招くのは初めてという。

 兵庫県出身の森山さんは報徳学園、大阪産業大、ヤマハを経て、2005年のドラフトでオリックスに入団。13~15年には楽天でプレーした。俊足の野手で、守備固めや代走での起用が多く、13年は楽天の日本一に貢献した。現在は「楽天イーグルスアカデミー」コーチとして子どもたちに野球を教えている。

 そんな森山さんは冒頭、実は警察官との接点も多いことを明かした。妻の祖父が元警察官、妻の父が警察官の指導員、妻の兄は現役警察官という。

 警察に助けてもらった経験もある。小学5年生のころ、京都のプールへ行ったときに、財布を盗まれた。「警察官が犯人を捕まえて、財布が戻ってきた。あのときから警察官は、僕にとってもヒーローです」と語った。

 そのうえで、ヒーローであるために大切な心構えは「プロとしての自覚と責任感」と説いた。

 野球選手と警察官の共通点は、制服(ユニホーム)を着ていること。「一人の行いが職業全体の評価につながるという自覚をもつことが大切です」

 現役時代、途中出場が多かった森山さんは、ベンチで待つ時間が長かった。だからこそ、フィールドで最高の活躍をするために、基本的には酒を飲まず、体調管理に気を配ったという。

 「市民の安心や命を守る警察官として、今後は今よりもつらいことがあると思う。まずは自分の体調管理を徹底して、職務を遂行できるようにしてほしい」

 現場に出る前の訓練期間にあたる初任科の長期課程で学んでいる女性(19)は「制服で行動する職業として、小さな行動で信頼を積み重ねていく必要がある。誰からも信頼される警察官になることが、人命を守る第一歩だと思った」と感想を話した。(三村悠)