◇国内女子◇ニトリレディス ゴルフトーナメント 3日目(30日)◇北海道CC大沼C(北海道)◇6955yd(パー73)…
◇国内女子◇ニトリレディス ゴルフトーナメント 3日目(30日)◇北海道CC大沼C(北海道)◇6955yd(パー73)◇曇り時々晴れ(観衆1079人)
ツアー史上最長6955ydのコース、5つのパー5はいずれも2オンが厳しい―。そんなうたい文句通り、予選2日間のパー5で生まれたイーグルは、1Rの14番で永井花奈が87ydを54度のウェッジでショットインさせた1個だけだった。ところが、この日、545ydの16番で7個もイーグルが飛び出した。
ムービングデーを演出する狙いもあってか、ティイングエリアが通常の位置から約80yd前へ、通常営業時のレディースティに移された。ただ、左ドッグレッグ形状で、グリーン手前に大きな池が広がるホールのため、普通なら“イーグル祭り”にはならなかったはず。選手たちの機転が状況を一変させた。
10番スタートの1組目だった渡邉彩香、葭葉ルミ、永峰咲希が林をはさんで左サイドに広がる15番フェアウェイへティショットを放った。最初に打った葭葉は林上部の枝をかすめたが大事に至らず、残る2人も問題なし。2打目は再び林越しとなったが、3人とも2オンに成功し、2パットでイーグル逃がしのバーディとなった。
永峰は「15番をプレーしている時に“あれ?(ティイングエリアが)ずいぶん前に出てるな”とわかって。ティショットは木を越える高さが必要になるけど、問題なかったです」。左ドッグレッグを結果的にショートカットする“裏ルート”では、通常は気になる池も気にならない。3人で最も飛距離で劣る永峰の2打目は15番のフェアウェイから残り165yd、クラブは6番アイアンだった。
3人の判断が後続に影響する。なんせ15番では前の組の選手が、自分たちの方に歩いてくる。同様の“裏ルート”からバーディを奪った桑木志帆は「15番で、まさか前から人が迫ってくるとは思わず“何事?”とビックリした」。林越えで安全に高い球を打った川崎春花は7W→7Wで1mに2オンさせて、今季初イーグルを奪って首位と2打差6位に食らいついた。
この日プレーした選手のほとんどが裏ルート経由。66人で7個の“イーグル率”は10.6%。過去3度ある「同一ラウンド同一ホール最多イーグル」のツアー記録9個と比較しても、2023年の日米共催「TOTOジャパンクラシック」3R17番(パー5)の11.5%(プレー人数78人)に続く2番目の高確率。今大会コースセッティング担当の塩谷育代は「(レディースティまで)ティを出した場合、15番を使うルートは想定していたし “気づいてくれるかな?”と思っていました」と話した。(北海道七飯町/加藤裕一)