自身のSNSを通じてメディカルタイムアウトの経緯を説明した早田ひな(C)Getty Images 物議を醸した一戦から約…

自身のSNSを通じてメディカルタイムアウトの経緯を説明した早田ひな(C)Getty Images

 物議を醸した一戦から約3週間。勝者が沈黙を破った。

 卓球女子の早田ひなが、8月29日に自身のSNSを更新。今月に開催された「WTTチャンピオンズ横浜」で9日の女子シングルス2回戦、張本美和との試合中にメディカルタイムアウト(MTO)を使用した経緯について説明した。

【写真】メディカルタイムアウトの経緯について語った早田ひなの投稿

 早田は2-2で迎えた最終ゲーム。2-4と劣勢の場面で左腕を押さえ、MTOを要求した。すぐにトレーナーによるテーピング処置が行われ、治療後に試合を再開。その後、逆転で接戦を制した。

 この件について、早田は経緯についてつづった文書の画像を投稿。「皆様にご心配をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。また、日本卓球協会への確認に時間を要したため、ご説明が遅れてしまいましたことにつきましても、深くお詫び申し上げます」と謝罪。その上で、「様々なご意見を頂戴しておりますので、今回の経緯についてご説明させてください」と述べている。

 文書によれば、早田は7月の試合で、プレー中に骨が動き、ラケットが正しく握れなくなる症状を経験。そのため「8月9日(土曜日)の2回戦の試合の前に、万一の際にWTTで新しく制定されたメディカルタイムアウト(MTO)を使用したい旨、また、その際に症状を熟知している所属チームの岡雄介トレーナーに処置(関節や筋肉の調整)を依頼することについて、事前に日本卓球協会のナショナルチーム女子中澤鋭監督に相談し、WTTで新設されたメディカルタイムアウトに加え、テクニカルタイムアウト、ウォーターブレイクについても『問題ない』旨のお返事をいただいておりました」と説明した。

 また「目に見える怪我ではなかったため判断が難しいからこそ事前に承認を得ておりました」と強調。しかしながら、「第三者の方々から見て中立性に疑問が生じる可能性があるというご意見はもっともだと感じております」という早田は、「日本選手同士の対戦ではコーチをおかないという不文律の慣習を踏まえ、対戦相手の方に配慮し、日本卓球協会のスタッフにも1名、処置中に立ち会ってもらい、痛みや症状の確認と処置のみが行われ、戦術などのアドバイスがなかったことを確認してもらっておりました」とした。

 最後には「私としては、WTTの新ルールであるメディカルタイムアウトで処置を受け、試合を継続したいという切実な思いからの判断であったことはご理解いただけますと幸いです」と訴えた上で、「様々なご意見があることは承知しておりますが、今回の件に関して、誹謗中傷のコメントはどうかお控えいただきたく、切にお願い申し上げます。いつも温かい応援をくださる皆様への感謝を胸に今後はより判断と対応に努め、これからも皆様に応援していただけるよう、頑張ってまいります。今後とも、応援のほどよろしくお願いいたします」」と締めくくっている。

 この投稿には、理解を示す反応が寄せられた一方で、対戦相手の張本美への言及がなかったことから、「張本選手への言葉も欲しかったです」「張本選手には、今回の内容は伝わっているのでしょうか」といったコメントも見られた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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