◇米国女子◇FM選手権 2日目(29日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)マシンのような…
◇米国女子◇FM選手権 2日目(29日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)
マシンのような精密さを持つ古江彩佳には意外な苦手分野があるという。ショット前の乱れぬルーティンに、小さな身体をめいっぱい使う伸びやかなスイング…では、もちろんない。ターゲットを見据え、構えに入る基本動作。「私は一番、そこが得意じゃないんです。方向を合わせるのとか、ヘタクソだなあ…って思ってます」と明かす。
メジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」を終え、3週間のオフでコーチの父・芳浩さんと修正を施したのがまさに“そこ”。「手のポジションが右に入っていたり、ハンドファーストに入っていたり。ポジション、セットアップ自体がまず間違っていた」という。「スイングはあまり触っていなくて。(各部位の)位置をしっかり見直した」。風の強い夏場の欧州シリーズだけでなく、米国でのシーズン前半戦の蓄積によって生じた微妙なズレに気づいた。
取り組みに間違いはなかった。2アンダー31位から出たこの日、序盤11番(パー3)で先行したボギーは続く12番(パー5)のバーディですぐにかき消した。5mのチャンスを生かした15番までに2連続バーディ。左ドッグレッグの17番ではセミラフから繊細なスピンコントロールでピンそば1mを攻め4つ目を奪った。
雷雨による2度の中断のあいだ、後半4番でもうひとつ獲ると、終盤にさらに2連続バーディ。8番(パー3)は5UTでピンそば5m、最終9番では158ydの第2打を7Iで4mにつけて鮮やかなフィニッシュを決めた。7バーディ、2ボギーの「67」で通算7アンダー暫定7位。今季初勝利をかけた争いに飛び込める位置でホールアウトした。
午後にスタートした組は誰ひとりフィニッシュできず、古江ら2日目の午前組は「ラッキーなグルーピングだった」と言わざるを得ない。「変わらず集中できたらいいと思います。うまく攻めるプレーをしながらバーディチャンスに付いたところで獲っていけたら」。週末も丁寧なアドレスを心がける。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)