◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 2日目(29日)◇芥屋GC(福岡)◇7293(パー72)福岡県出身の22歳・…

地元&所属コースで活躍を目指す

◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 2日目(29日)◇芥屋GC(福岡)◇7293(パー72)

福岡県出身の22歳・石塚祥利(しょうり)は、グリーンに上がると驚かれることが多い。「プロアマでも『え、左?』って。最初はみんな気づかないんですけど、3ホール目くらいでビックリされます(笑)」。パッティングだけ左打ちに変えて、はや5年。ジュニア時代にイップスに悩んでから、プロになった今もこのスタイルが一番しっくりきている。

プロ転向前年の2020年、ジュニア時代に出た試合で1mを外してからイップスに陥った。「1mくらいから3パットを連発。無理だなと思った」と、試合途中で試した苦肉の策が意外とハマった。当時使っていた右打ち用のピン型パターを、そのまま左に持ち替えてバックフェースでボールを打つようにストローク。「あ、手が動く!」と普通に打つより調子がいい。完全に距離感をつかむまでに時間はかかったが、「そこから症状も全然出なくなった」と、今は左打ち用のクラブに持ち替えて戦っている。

今週は所属する芥屋GCで、独特なスタイルのパッティングが力を発揮。16位から出た2日目にボギーなしの9バーディを奪い、コース記録に並ぶ「63」で通算13アンダーとして後続に3打差の単独首位に立った。前半14番で1m弱のチャンスを決め切ると、15番で1.5m、16番からは3~4mを2連続で沈めてバーディ。18番(パー5)を2オン2パットでバーディとすると、1番はショットで作ったチャンスを逃さず、6連続バーディのチャージをかけた。

パッティングだけ左打ち

「9アンダーが出るとは思わなかったので、びっくりしました」と振り返る。自身11試合目のレギュラーツアーで、これが2度目の予選通過。「100点以上です」と納得のプレーで大会を折り返す。

前回予選を通過したのは、60位で終えた2022年の「日本プロ」。上位で決勝ラウンドを戦うのはもちろん初めてだ。「緊張すると思うので、ギャラリーを沸かせる気持ちで頑張りたい」。観客の中には、家族もいる。3人兄弟の末っ子で、長男・祥平さん、次男・祥成さんは、自営のジェラート店「COCO GELATO」のキッチンカーを会場に出して販売員をしながら弟を応援中だ。

「今の時期だったら、柚子とかレモンが、さっぱりしておいしいです」(石塚)と、この日もラウンド後にキッチンカーへ。家族と一緒に涼を取り、大事な週末へ英気を養った。(福岡県糸島市/谷口愛純)