8月30日は冒険家の日。この日に日本人が成し遂げた世界的偉業が3つあることから定められたとされている。ところで、近年…

 8月30日は冒険家の日。この日に日本人が成し遂げた世界的偉業が3つあることから定められたとされている。ところで、近年日本馬が多数参戦している海外レースもまた遠い地での栄光を目指す冒険。そこで、六大州それぞれのG1を初制覇し、日本調教馬として偉業を達成した冒険家ならぬ「冒険馬」について紹介したい。

 海外G1で初の勝ち星をつかんだ日本調教馬はシーキングザパール。97年のNHKマイルCを含む重賞7勝の名馬である。98年、武豊騎手を背に仏G1・モーリスドゲスト賞で快挙を成し遂げた。
 
 続く新たな州でのタイトル獲得は、01年にステイゴールドが制したアジアのG1・香港ヴァーズ。3年連続古馬王道路線を皆勤するなど長く最前線で走り続けた同馬のG1初勝利でもあり、今なお語られる名勝負だ。
 
 それから4年後、北アメリカで白星をあげたのがシーザリオ。6戦5勝2着1回という実力を持つのみならず、GI馬三頭の母でもある名牝だ。05年オークスを勝ったのち、米G1・アメリカンオークスに参戦。現在でも日本調教馬唯一の栄光を手にした。

 そして、初めてオセアニアのG1覇者となったのはデルタブルース。04年の菊花賞など長距離の重賞を3勝している名ステイヤーである。06年にオーストラリアへ遠征し、コーフィールドCで3着と好走。続くメルボルンCを制し、歴史に名を刻んだ。

 六大州のうち、南アメリカやアフリカのG1で勝利した日本調教馬はいない。そもそもレースに参戦した馬が非常に少なく、1967年にハマテツソが出走したブラジルのサンパウロ大賞のみ。また、仏G1・凱旋門賞など上記の四つの州にも日本調教馬未勝利のレースは多い。まだ残されている挑戦の余地。未来の冒険にも期待したい。