◇米国女子◇FM選手権 初日(28日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)シーズン序盤戦、…
◇米国女子◇FM選手権 初日(28日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)
シーズン序盤戦、畑岡奈紗はグリーン上で悩みに悩んでいた。4月のメジャー初戦「シェブロン選手権」の頃からしばらく、「手が思うように動かない」とパターそのものだけでなく、握り方に試行錯誤を重ね、グローブをしたまま打つスタイルにも挑戦した。ようやく復調の兆しが見えてきたのは、この夏場だという。
きっかけは7月の「エビアン選手権」を終えて日本に一時帰国したときのこと。昔から地元・茨城で懇意にしているクラフトマンのトップアマとプライベートでラウンドした。「『何を”そこ”で考えてんの?』って言われて」――
”そこ”とはインパクト前後の幅、数十センチのゾーン。「私はフェースアングルやパターの動かし方ばかり気にし過ぎていた。『距離感だよ!』って言われて」。ハッとしたようにタッチの重要性を思い出すと、ひとたびスムーズにストロークできるようになったという。
ショートパットへの不安が完全に消えたとは言えないまでも、今では「全英(女子オープン)からかなり良くなってきて、ストレスがだいぶ減りました。“打てるように”なりました」と言える。この日は前半18番(パー5)で手前のフェアウェイから6mほどを流し込むなど、グリーン上でのミスは最小限に抑えた。
初日1オーバーの90位は1ホールでの大たたきが影響したもの。後半2番(パー5)、グリーンを狙ったショットが2度、グリーン手前の池に落ちた。「両方当たりが悪かったんですけど、手前(側)が良くないので、ちょっと大きくても奥にのせるべきだった。フォローだったので、下の番手でもしっかり当てれば届く距離だと思ったんですけど…」と、トリプルボギーを大いに反省した。
目下の課題には「フェアウェイからのショット。距離が残るところではうまくパーセーブして、短いチャンスホールでしっかり獲っていきたい」とアイアンの精度向上を挙げる。パッティングへの意識が軽減されたのは、間違いなく進歩だ。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)