巨人ファンに愛され、チーム内でも尊敬されている長野(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext 巨人、広島でキ…

巨人ファンに愛され、チーム内でも尊敬されている長野(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人、広島でキャリアを重ねてきた長野久義にひそかに注目が集まっている。

 40歳で開幕を迎え、今年末には41歳となる背番号7は今季、ここまで17試合に出場、打率.136、0本塁打、0打点(30日現在)と出場機会が激減。いまだ2軍では元気な姿を見せているものの、1軍ではキャリアワーストの成績になることがほぼ確実な情勢だ。長くチームを支えてきた精神的支柱は、ここからもうひと花咲かせられるだろうか。

【動画】待ってた、チョーさん!代打で長野が見せた一発

 並外れた背筋力を生かした強肩強打が武器の外野手。そのプロ入りは、巨人入りを熱望した上での2度に渡るドラフト拒否の末に迎えた満26歳のシーズンだった。

 ただ、待望の巨人入りを果たしてからは、まさに「超・即戦力」となった。前評判通りにルーキーイヤーから新人王に輝くと、2年目には初のタイトル(首位打者)を獲得。3年目は173本の安打を放ち、最終戦でチームメイトの坂本勇人と最多安打のタイトルを分け合ったのは、今もG党の間で語り継がれている。新人から3年連続ベストナインとゴールデン・グラブ賞も獲得し、2010年代前半を代表する名手のひとりとして声価を高めた。

 肉体的にも2014年オフには右ひざ半月板の手術と右肘のクリーニング手術を受けるなど、困難な時間もありながら2桁本塁打をルーキーイヤーの2010年から9年続けてきた。それも広島に移籍して1年目の2019年に途切れた。

 一方でこの頃には、長野の人柄の良さがプロ野球ファンに広く浸透。人的補償による広島移籍の際にも恨み言一つも言わずに新天地へ赴き、その上で広島にとって意味の大きい「背番号9」の打診を固辞。若手の成長を願っての行動は賞賛された。

 広島で4年間プレーした後、長野は再び巨人に戻ってきた。

 38歳での再入団で、主な役割は代打の切り札と、主に若手を下支えするチームの精神的なカバー。しばらくは持ち前の勝負強さを発揮してきたが、昨季にキャリア初の本塁打ゼロとなり、苦しい状況で40歳シーズンとなる2025年を迎えることになった。

 今季は開幕からいきなり2打席連続安打を放ち、幸先の良いスタートを切った。ただ、その後が続かず、4月13日の広島戦ではスタメン出場も5打数ノーヒット。5月6日の阪神戦で2度目のスタメンも4打数ノーヒットと結果を出せず、2軍へ降格した。

 7月中旬に再び1軍に上がり、21日には約3か月半ぶりの安打をマークするも、29日に登録抹消。以降は2軍生活が続いている。ここでタダでは転ばないのが長野の凄いところで、降格後は直近5試合(8月19〜27日)は8打数5安打と絶好調。酷暑の夏にもかかわらず打ちまくっているのは、かつて「夏男」と言われた所以か。

 チームは優勝こそ厳しい状況だが、2位以内の確保に向けて一進一退の日々を送る。盟友である坂本もベンチスタートが増える中、長野の使い道は少ないかもしれない。それでも、厳しい状況になればなるほど力を発揮する「余力」はまだ残っているようにも感じる。

 レギュラーシーズン閉幕まであと1か月。果たして長野が1軍で再び勇姿を見せる瞬間は来るだろうか。背番号7のパフォーマンスに引き続き、注目が集まっていきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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