汗をかきながらベンチへと戻る大谷(C)Getty Images 文字通り規格外の活躍だった。現地時間8月27日、ドジャー…

汗をかきながらベンチへと戻る大谷(C)Getty Images

 文字通り規格外の活躍だった。現地時間8月27日、ドジャースの大谷翔平は、本拠地でのレッズ戦に「1番・投手兼DH」で先発登板。投手として5回(87球)、被安打2、1失点、9奪三振と好投し、チームの5-1での完勝に貢献。自身も実に749日ぶりの勝利を手にした。

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 レッズを率いる名将のテリー・フランコーナが「素晴らしいの一言に尽きる。フィールド上だけじゃない。彼の存在自体が常識外れだ」と絶賛するほどの快投だった。当人は「感極まるところはない」と冷静に語ったが、最速100.3マイル(約161.4キロ)を叩き出した4シームとカーブ、スライダーを軸とした緩急をつけた多彩な投球は、圧巻の一語だった。

 ようやく1勝を手にした大谷。これで復帰後は11先発を消化し、防御率こそ4.18ながら、奪三振率12.25と支配的な投球を披露。いまだ計32.1イニングとリハビリによる制限下にあるが、投手としてのポテンシャルの高さは存分に示している。

 ゆえに「投手・大谷」をいかに起用するかは小さくない議論を生んでいる。23年9月に執行した右肘への2度目の手術の影響は、ここまで感じさせていないが、再発リスクはゼロではない。それだけに、クローザー、もしくはオープナーとして起用し、「負担を減らすべき」と声を上げる識者も少なくない。

 このレッズ戦での投球内容を見て「この男はやろうと思えば、本当に何でもできる。それがショウヘイ・オオタニなんだ」と語ったのは、かつてメッツで活躍した名投手のロン・ダーリング氏だ。

 MLB通算136勝を挙げたレジェンドは、自身がアナリストを務める『MLB Network』の番組内で「ポストシーズンに向けて中継ぎなのか、先発なのかは決断を迫られると思う」と指摘。「私は正直なところポストシーズンで彼が先発することがベストかはまだ疑問だ」と持論を展開した。

「私の中では、あのWBC決勝の最後にマイク・トラウトを三振に仕留めた姿がどうしてもよぎるんだ。もちろん現実は甘くはない。それも分かっている。中継ぎで使うことはほぼ不可能に近いとも思う。ただ、(先発が)ベストかは分からないよ」

 迷えるダーリング氏の意見に「元メジャーリーガーたちの中でも、オオタニが『クローザー向きだ』とか『短いイニングの方がいい』とする人は多い」と語ったのは、元マリナーズのライアン・ローランド=スミス氏だ。台湾でのプレー経験もある左腕は、こうも続けている。

「ただ、彼はルーティーンを何よりも大事にするタイプだ。だから『先発こそが自分のやるべき仕事』って信じていると思う。たしかにここ最近は肩で息をして、苦しんでいる場面も見られるけど、あのスライダーはえぐい。そこに100マイルも投げられている」

 意見が尽きそうにない「投手・大谷」の最適解を巡る論争。10月のポストシーズンに向け、その議論はより白熱していきそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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