先週末に開幕したスペイン1部ラ・リーグの試合映像に映し出された号泣ひざ叩き少年が話題となっている。 現地8月16日、マ…

 先週末に開幕したスペイン1部ラ・リーグの試合映像に映し出された“号泣ひざ叩き少年”が話題となっている。

 現地8月16日、マジョルカは本拠地ソン・モイシュで昨季王者のバルセロナを迎え撃った。スタメンには日本代表FW浅野拓磨も名を連ねた中、陸上トラックを撤去してのサッカー専用スタジアムへの改築工事が昨年完了したスタジアムには、開幕を楽しみに待っていた大勢のマジョルカサポーターが詰めかけ、キックオフと同時に気合い十分にチャントを響かせた。

 しかし、試合はバルセロナの一方的な展開となる。スペイン代表の神童ラミン・ヤマルが立ち上がりからコンディション万全での全開プレーを披露すると、前半7分にヤマルの絶妙クロスをラフィーニャが合わせて1点。さらに前半23分、フェラン・トーレスがミドルシュートを叩き込んで早くも2−0となった。

 その2失点目の際、ヤマルの強烈なシュートを頭でクリアしたDFライージョがピッチに倒れ込み、その隙にゴールを決められるという“不運な失点”となったマジョルカ。そのシーンで異議を唱えて警告を受けたMFマヌ・モルラネスが前半33分、ヤマルへのタックルで2枚目のイエロー。退場処分になると、さらに同39分にはエースFWベダト・ムリキの振り上げた足が相手GKの顔面にヒットし、VARチェックの末に一発レッドとなった。

 前半のうちに2点ビハインドの上に2人退場という非常事態に、ホームのスタジアムは騒然となり、マジョルカサポーターは頭を抱えて呆然とし、ある者は判定を不服として抗議の口笛を吹いた。そのまま時間が前半43分を迎えようとしたとき、国際映像がスタンドにいた一人の少年の姿を映し出した。

 マジョルカの赤いユニフォームにツノ付きの帽子を被った“熱狂的サポーター”と見られる少年は、本来の座席から外れた階段部分に座って号泣状態。父親と思われる大人に肩を抱かれて慰められていたが、涙は込み上げてくるばかり。悔しさで顔を歪め、自らの膝を叩いて怒りを露わにするシーンまでが中継カメラに収められた。

■「この膝を打つところとか名画すぎる」

 この号泣少年の映像は海を越えた日本にも届けられて話題となり、SNS上には日本人ファンから次のようなコメントが寄せられた。

「わかるよその気持ち」
「この展開は泣きながら膝も叩きますわ…開幕戦やぞ、これ」
「この子の立場なら間違いなくワイも泣く」
「この膝を打つところとか名画すぎる いいサポーターや」
「僕もこうなるわ…………2点目はマジョルカにとってもだけどバルサにとっても嫌な点数だったな……」

 この後、試合はどうなるかと思われたが、最終的には0−3と良心的なスコアで終了した。だが、数的不利で守備優先のために浅野は前半のみで交代。ボール支配率は70%対30%で、シュート数はバルセロナの23本に対してマジョルカは3本という一方的な内容で、マジョルカサポーターにとっては苦い思い出の“忘れ去りたい”開幕戦となった。

 しかし、まだシーズンは始まったばかり。“号泣ひざ叩き少年”の笑顔を、今度は見ることができるだろうか。

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