日本ではお茶の間も巻き込んだでも大きな話題を生んだWBC(C)Getty Images 突然に公表された“決定”が驚きと…

日本ではお茶の間も巻き込んだでも大きな話題を生んだWBC(C)Getty Images

 突然に公表された“決定”が驚きとともに波紋を呼んでいる。

 現地時間8月25日、米大手動画配信サービス『Netflix』が来年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本国内における独占放送権を獲得したことを発表した。

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 急転直下の決定だった。『Netflix』は日本国内においてWBC全47試合を独占で配信すると公表。これによって地上波放送がなくなる可能性が現時点で「確実」となった。

 こと日本における地上波放送の影響力はいまだ計り知れない。前回大会では、日本とアメリカによる決勝が平均世帯視聴率42.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という平日午前に異例の数字を記録。大谷翔平を中心とした侍たちの一挙手一投足に列島が沸いた背景には、万人が目を通せる地上波の力があった。

 無論、『Netflix』の独占となったのにも事情がある。というのも、大会を主催のワールド・ベースボール・クラシック・インク(WBCI)によって、放映権料は前大会の30億円から約5倍となる150億円に増大したとされている。1競技の国際大会としては膨大な金額と言えるが、それをリスクなくペイできる算段が地上波放送には取れなかったとみられる。

 もっとも、今回の決定に異論も噴出している。WBCIとともに本大会1次ラウンド東京プール(東京ドーム)計10試合の主催者を務める読売新聞社は日本時間8月26日に声明で「WBCIが当社を通さずに直接Netflixに対し、東京プールを含む全試合について、日本国内での放送・配信権を付与しました」と公表。NPB(日本野球機構)や関係各所を通すことなく、Netflixに放映権が売り渡されたことを明かした。

 そんなWBCIの独占的な行動と日本に対する“扱い”の悪さを指摘する声は尽きない。とくに“無料”だった地上波放送から“有料”に変わることへの抵抗感を持つ人は多く、ネット上でも「長い目でみれば野球界にとってマイナスではないか」「盛り上がりそうなのに、どうしても観られないのは残念」といったネガティブな意見は目立った。

 一方で、放映権料の高騰が続いている昨今のスポーツ界では、サブスクを利用したライブ配信が潮流ともなっている。加えていわゆる“テレビを見ない世代”される20代がメインの利用者層となっているNetflixで大々的に配信されれれば、これまで野球を好きだった高齢者層を含めた新規ファンを獲得できる可能性もある。

 そうした思惑と野球界の将来を考えるファンも少なくない。ネット上では、「見たい人は金を払う。そういう時代」「若い人は地上波でやっても見ない」「売り方次第で新しいファンは増えそう」「新しい時代の証だ」といった意見も相次いだ。

 賛否両論が渦巻く中で、WBCは最終的にいかなる形で世に広まっていくのか。世界的な配信プラットフォームでの配信による影響力が高まれば、今後も国際的なスポーツイベントにおいては、“サブスク化”が進んでいくかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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