まだまだ全国的に厳しい暑さが続く中、秋に入っても全国的に気温が高い状態が続く予報が出されています。暑い日が長く続くことに…

まだまだ全国的に厳しい暑さが続く中、秋に入っても全国的に気温が高い状態が続く予報が出されています。暑い日が長く続くことによって疲労や食欲不振に悩む“残暑バテ”の方も増えています。

そんな中、注目を集めているのが「せいろ蒸し」です。レシピ動画メディア「デリッシュキッチン」によると、せいろを使ったレシピの検索数は2024年9月と今年5月を比較すると約5倍に増加しています。

稲毛病院整形外科・リハビリテーション科/健康支援科部長の佐藤務先生に、疲労回復に効果的な食材選びについて詳しく解説していただきました。

せいろ蒸しが残暑バテ対策に注目される理由

せいろ蒸しは、食材の旨味を逃がさず、栄養価を保ちながらふっくらとした仕上がりを楽しめる調理法です。

蒸し料理はゆでるよりも栄養が逃げにくく、油を使わないのでヘルシー。食材を切って詰めて蒸すだけの時短調理で、忙しい人にもおすすめです。

暑い時期に敬遠されがちな蒸し料理ですが、夏野菜にもピッタリ。ほったらかしで調理でき、食欲がない時でもさっぱりと食べられます。

医師が解説! 残暑バテ対策に重要な「イミダゾールペプチド」とは

エアコンのきいた室内と屋外の暑さとの温度差により、なんとなく疲れが取れない、体がだるいなど不調になりがちな現代人。そんな残暑バテ対策として注目したい成分が「イミダゾールペプチド」です。

佐藤先生は次のように説明します。

「身体と脳の両方の疲労回復のカギは、抗酸化物質が含まれた食品を積極的に摂ることで、その代表的なものは、イミダゾールペプチドです。渡り鳥や回遊魚など何万キロを、休まず移動するために酷使する羽の付け根や、マグロやカツオなどは尾びれの部分に多く存在します」

●継続摂取で効果を実感

「これは人間の脳や筋肉にも含まれる成分ですが、加齢とともに減少し、脳の疲労が蓄積した現代人は食品から摂る必要があります。イミダゾールペプチドは、脳と筋肉両方の疲労回復力を高めることがわかっており、2~4週間以上200~400mgを毎日継続して摂取することで効果が期待できることがわかっています」(佐藤先生)

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夏バテ対策の食材として注目したいのが「熟成阿波尾鶏(じゅくせいあわおどり)」です。貞光食糧工業株式会社のブランド地鶏「熟成阿波尾鶏」は、イミダゾールペプチドが豊富に含まれており、一般的なブロイラーに比べて1.51倍多く含まれていることがわかっています。

イミダゾールペプチドにはアンセリンとカルノシンがあります。その両方とも、ブロイラーに比べて多く含まれ、合わせた量はもも肉で1.3倍、むね肉においては2倍にも及びます。

「心身ともに疲労回復をサポートする『熟成阿波尾鶏』は量を多く摂らなくても豊富なイミダゾールペプチドを摂取できるので効率的です」と佐藤先生は語ります。

簡単で栄養満点! 「熟成阿波尾鶏」のせいろ蒸しレシピ

材料(2人分)
• 熟成阿波尾鶏むね肉:1枚(約300g)
• 長ねぎ:1/2本
• 生姜:1片
• 酒:大さじ2
香味ソース
• 長ねぎ(みじん切り):1/2本分
• 生姜(みじん切り):1片分
• にんにく(みじん切り):1片分
• しょうゆ:大さじ3
• 酢:大さじ1
• ごま油:大さじ1
• 砂糖:小さじ1

作り方
1. 熟成阿波尾鶏むね肉は厚みを均等にし、酒をふりかけて10分ほど置く
2. せいろに長ねぎと生姜を敷き、その上に鶏むね肉をのせる
3. 沸騰した湯の上で15~20分蒸す(中心部まで火が通るまで)
4. 蒸している間に香味ソースの材料をすべて混ぜ合わせる
5. 蒸し上がった鶏肉を食べやすい大きさにスライスし、香味ソースをかけて完成

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監修者プロフィール

佐藤 務先生

稲毛病院整形外科・リハビリテーション科/健康支援科部長
1997年、臨床の現場にサプリメントの摂り方を指導するビタミン外来を新設。2000年には全国初の健康支援科を創設、8つの健康支援外来を新設。昭和大学医学部統合医学科講師として、医学生にサプリメントや栄養の講義を担当。専門は整形外科・リハビリテーション科だが、予防を含めた総合医療を提唱。

<Edit:編集部>