石垣の上位指名は間違いないが…(C)産経新聞社 今夏の甲子園大会は沖縄尚学の優勝で幕を閉じました。開幕時には広陵による暴…

石垣の上位指名は間違いないが…(C)産経新聞社

 今夏の甲子園大会は沖縄尚学の優勝で幕を閉じました。開幕時には広陵による暴力事案がSNS上で話題沸騰になり、大会途中で出場辞退という異例の展開になりましたが、終わってみれば熱戦に次ぐ熱戦となり、名勝負が生まれた大会として後世には語り継がれることになりそうです。

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 しかし――。今大会の物足りなかった点について、アマチュア野球に詳しいスポーツライターは言います。

「今秋のドラフト会議の対象選手となる、プロ注目の逸材は少なかったですね。通常、12球団の全国のスカウトは、甲子園大会で出場校が『一回り』する序盤の1週間は全員で見て、担当エリア以外の選手についてもチェックするんですが、スカウトの数も少なかったし、例年に比べて低調だったというのが正直なところです」

 そんな中、投手でナンバーワンの評価となったのは初戦で敗退したものの、最速158キロを誇る健大高崎の剛腕・石垣元気とされています。

「3点ビハインドの7回からリリーフし、155キロをマークしましたが、投げたのは2イニングのみ。石垣については各球団とも群馬大会までである程度、調査は終わっていますし、高評価は揺るがないとは言え、『石垣凄いぞ!』と大爆発までいかなかったのは寂しいところです。甲子園大会は野球ファンだけでなく、一般層を巻き込む力を秘めている。かつての横浜・松坂大輔、日南学園・寺原隼人らは社会現象になり、自らの価値を爆上げした中で秋のドラフトに突入した。石垣もワンチャン、そんな大会になるかと予想したんですが…」(前述のライター)

 一方で「豊作」と話題だったのが、2年生投手です。優勝した沖縄尚学の最速150キロ左腕・末吉良丞や横浜の最速152キロ右腕・織田翔希、聖隷クリストファーの最速147キロ左腕・高部陸、山梨学院の最速152キロ右腕・菰田陽生は早くも「四天王」とされ、来秋ドラフトの目玉になっていくことでしょう。

「NPBスカウトの中には『この四人ならばこの秋のドラフト対象だったとしても、上位で消える』と断言する人もいるほど。ひと冬を越えて、どれだけ成長するかもスカウトは見定めることになるでしょう」(前述のライター)

 となると、この秋のドラフト対象となる甲子園球児は、かなり限られた人数になりそうです。

「石垣は1位で確定。横浜のエースで4番、サウスポーの奥村頼人は野球センスもあり、打者でも投手でもいいものを持っています。育成力のあるチームに指名して欲しいですね。未来富山の左腕・江藤蓮も支配下でかかる可能性は十分。仙台育英のサウスポー・吉川陽大も野球センスが高く、伸びしろも十分です。このあたりは支配下で消えるでしょう。現状、上位は大学生で占められることになりそうです」

 運命のドラフトまであと2か月。スカウトたちの情報戦にも注目です。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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