◇米国女子◇CPKC女子オープン 最終日(24日)◇ミシサガG&CC(カナダ)◇6661yd(パー71)2018年大会で…

◇米国女子◇CPKC女子オープン 最終日(24日)◇ミシサガG&CC(カナダ)◇6661yd(パー71)
2018年大会でカナダ勢として45年ぶりに優勝した時は涙が止まらなかった。だからこそ、ブルック・ヘンダーソンは「正直、いま泣いていないことに驚いています」と笑った。
地元ファンから背負う期待の大きさは7年前と変わらない。そのもっと前、2012年に14歳のアマチュアとして大会に初出場した時から、カナダのゴルフ界をけん引する存在として将来を嘱望された。15年に米ツアー初優勝。翌16年には18歳でメジャー「KPMG全米女子プロ選手権」を制した。
しかし、男女を通じてカナダ勢最多を更新するツアー13勝目を飾った2年前の開幕戦を最後に順調だったキャリアに影が差した。2年以上にわたる未勝利の日々はプロになって経験したことのないもの。自分自身に疑念を抱く瞬間はなかったか――。
そんな問いかけに「Absolutely(間違いなくありました)」と即答して続けた。「誰にでもあるもの。暗闇をさまようような時間が私にもありました。家族が本当に支えてくれた。『諦めずに頑張り続けなさい。必ずいい方向に行くから』と背中を押し続けてくれた」。キャディを務める姉・ブリタニーさんをはじめ、サポートへの感謝がにじんだ
首位タイから出た最終日は、2サム最終組で回ったミンジー・リー(オーストラリア)とマッチレースの様相を呈した。米ツアーで同期にあたり、「素晴らしい友人で、本当に強いライバル」と力を認め合う存在。2番で相手が自分より外側からバーディパットをねじ込んできた時に「これがきょうの流れだ」と覚悟を決めた。並んで迎えた後半14番(パー3)は3mもないチャンスをじっくりと読んだ。「このパットが大事だと分かっていたから」。前週より軽いモデルに替えたパターで決めてリードを奪い、1打差で難敵を振り切った。
男女を通じてカナダ勢が母国のナショナルオープンで複数回優勝を達成するのは史上4人目。過去3人はいずれも男子選手で、直近でも1909、14年と2勝したカール・ケファーまでさかのぼる。「カナダに勝利をもたらすことができてうれしい。私はいつも、2018年大会の優勝がキャリアの大きなハイライトだったと言ってきた。再び成し遂げられたことは本当にボーナスで、これも間違いなくハイライト。ソーダポップを飲もうかな。スプライトか、ファンタオレンジか…。もう何年も飲んでないの(笑)」。ささやかな祝杯で快挙の喜びをかみ締めるつもりだ。