広島戦でフラストレーションを相手の野球道具に当たってしまったバウアー(C)KentaHARADA/CoCoKARAnex…

広島戦でフラストレーションを相手の野球道具に当たってしまったバウアー(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 苛立ちを抑えきれなかったのか。DeNAのトレバー・バウアーの行動が厳しい批判を招いている。

 発端となったのは、8月21日の広島戦での一コマだ。この試合に先発していたバウアーは、5回二死から相手の小園海斗を右飛に仕留めた直後、一塁の自軍ベンチに戻る際にグラウンド上に転がっていた小園のバットをトンと蹴りつけたのである。

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 結局、7回途中(100球)を投げ、被安打9、5失点でKOされたバウアー。6月6日の日本ハム戦(横浜)での白星を最後に9戦連続で白星から遠ざかっている現状にフラストレーションを抱えているのは想像に難くない。しかしながら、野球道具、それも相手のバットをわざわざ蹴りつける行為は言語道断。もはや批判は必然であった。

 かつてのサイ・ヤング賞右腕の“蛮行”は、当人の母国でも嘆きの声とともに広まった。米メディア『Essentially Sports』は、日本で波紋を生んだ小園に対する一連の行動を「野小さなしぐさだが、野球の精神に反する侮辱に満ちた行為」と糾弾。「特に日本の野球には根底に“尊敬”がある。試合に臨む姿勢や精神がスコアボードの結果と同じくらい重要だ」とバウアーを問題視した。

 もっとも、メジャーリーグでも実績を重ねた大物助っ人は野球に対する強いこだわりの持ち主でもある。ゆえに思うように結果が残せない現状に苛立ちが募るのも無理はない。今回の出来事を断罪する同メディアも「投球の分析、トレーニングに関する話には闘志も垣間見える。覚悟と諦めない姿勢。この二面性、プライドと重圧が核心にある」とバウアーの理想を慮ってもいる。

 しかし、同メディアは「彼は反省ではなく外部への責任を押し付けようとする傾向はある」とも指摘。その上で、こう断じている。

「単なる競争心の表れなのか、それとも無礼な行為なのか。今回のバットを蹴りつける行為は議論を招いた。しかし、日本でも起きてしまった今回のような出来事は、もはやパターン化しつつある彼の“悪癖”がなかなか消えないことを物語っている。彼は内なる葛藤と戦いながら、今も己の不安定さと向き合っているのだ」

 日本のファンからも非難殺到となったバウアー。果たして、苦しむ右腕はこの苦境をいかに脱していくのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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