苛立ちを隠さずも、自信も語った角田(C)Getty Images レッドブルの角田裕毅が正念場を迎えている。 F1で屈指…

苛立ちを隠さずも、自信も語った角田(C)Getty Images

 レッドブルの角田裕毅が正念場を迎えている。

 F1で屈指の“常勝軍団”にあって何よりも求められる結果が出ない。去る3月27日に姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格した角田だったが、以降12戦で獲得ポイント7と低迷。直近7レースではポイントゼロとチームワースト記録を更新してしまっている。

【動画】壁にぶつかってマシンは一回転 衝撃を生んだ角田裕毅のクラッシュシーン

 そんな25歳の日本人ドライバーをめぐっては、各国メディアでも批判的な意見が報じられ、来季に向けて“後継”の名前が盛んに報じられている。目下、F1はサマーブレイク中だが、角田に対する見方は厳しさを増している。

 もっとも、強さ増す“逆風”は当人も覚悟の上だ。オランダのモータースポーツ専門メディア『Racing News 365』などの取材に応じた角田は「前回のレースからやってきたことと、全く同じことをやらなければならない。でも何も変える必要はない。とにかく集中してやるだけ」と強調。周囲の喧騒に惑わされずに自身の理想とする走りを追い求める姿勢を見せている。

「少しイライラしてました。ポイントを失うのは、全く理想的ではないから。少なくとも自分のガレージ側のエンジニアからの情報では、明確な進歩とペースがあることは分かっている。紙面上での比較だけを見れば、良いペースを維持しているのは間違いない」

 強気に闘志を燃やす角田。7月9日に新代表となったローラン・メキース氏の後押しもあり、操作困難とされてきたマシン『RB21』にも新型パーツが導入されるなど、逆襲の機運は高まっている。

 実際、レッドブル幹部も再評価する動きは見せ始めている。スペイン紙『AS』の取材に応じたアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士は、「端的に言えばユウキにはまだチャンスがある」と断言。かつて「ポイントが取れなさすぎる」と糾弾した角田の改善を語っている。

「現在も彼のパフォーマンスを分析している。したがって肯定的にも、否定的にも、まだ決定は下されていない。だが、ユウキはレース、少なくとも予選で飛躍的な進歩を感じている。これまでと違う雰囲気、違うスタイルが生まれており、それはレッドブルがずっと求めていたものだ」

 正念場となる後半戦で、角田はどこまで巻き返せるか。来季の契約延長に至る可能性も含めて、そのドライビングに注目したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「こんなの馬鹿げてるよ!」角田裕毅が陣営に浴びせた怒り 残酷な0秒024差のQ1敗退はなぜ起きたのか?「とにかく遅い」

【関連記事】再び失速で「何もうまくいかない」 角田裕毅だけじゃなく、“エース”も漏らした自軍マシンへの不満 重鎮マルコの見解は?

【関連記事】「僕らの比較はフェアじゃない」角田裕毅がフェルスタッペンとの“比較論”に本音吐露「同じマシンを手に入れるまで出来ない」