小園のバットを蹴りつける振る舞いを見せたバウアー(C)産経新聞社 大物助っ人の行動が波紋を呼んでいる。 球界で物議を醸し…

小園のバットを蹴りつける振る舞いを見せたバウアー(C)産経新聞社
大物助っ人の行動が波紋を呼んでいる。
球界で物議を醸したのは、8月21日の広島戦で、DeNAのトレバー・バウアーが見せたそれだ。この試合で7回途中(100球)を投げ、被安打9、5失点でKOされ、今季10敗目(4勝)を喫した右腕は、5回二死から相手の小園海斗を右飛に仕留めた直後、一塁の自軍ベンチ前に転がっていた小園のバットを蹴ってどかしたのである。
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故意であったのかは定かではない。ただ、苛立ったように蹴りつける行動にも見えたのは事実。実際、7回に三塁打を放った小園は、自分の野球道具をぞんざいに扱われたことへの怒りをぶつけるように、バウアーに向かって大声を張り上げた。
そんなDeNAの怪腕が見せたプロとして看過できない行動は、海外メディアもクローズアップ。スペイン紙『Marca』のアメリカ版は、「日本のスター選手を挑発して屈辱を受ける。自分の無礼な態度が裏目に出た」と銘打った記事を掲載。「MLB時代から悪名高かった元ドジャースの投手は、尊敬を重んじる日本文化において非常に大きな意味を持つ行為で激しい怒りを巻き起こした」と伝え、苛立ったバウアーの振る舞いを糾弾している。
「打者が捨てたバットを何気なく蹴り飛ばしたバウアーに起きた直後の展開は、まさに詩的な正義のようだった。バウアーから三塁打を放ったコゾノは、スタジアムの観客を沸かせ、肩を落としながらマウンドに戻るバウアーに向かって、してやったりと言わんばかりに叫んだ。キャリアのやり直しを求めて日本へ移住したバウアーにとって、今回の騒動は痛手となるだろう」
今季は20先発で防御率4.34、WHIP1.35、被打率.264と精彩を欠いているバウアー。そうしたパフォーマンスの低調さにも触れた同紙は「彼の行動を“闘志の表れ”と呼ぶ人もいれば、単なる無礼だと片付ける人もいる。いずれにしても、MLBのアナリストたちはより厳しい見方を強めるだろう」と強調した。
さらにやり返した小園の振る舞いを「彼はアスリートらしく、独自の方法で正義を執行した」とも伝えた『Marca』は、バウアーを厳しく非難している。
「バウアーはNPBで新たなスタートを切るはずだった。しかし、今回のような瞬間は、彼が本当に変われるかどうかという疑念をさらに強めるものだと言える。フィールド上でも状況は明るくなく、そのキャリアは危機に瀕している」
投手としての高いプライドを持つバウアー。それだけに思うように行かない現状にフラストレーションが溜まっているのは想像に難くない。しかしながら、今回の行動は彼の心象を悪くしてしまった感は否めない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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