◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 3日目(23日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7440yd(パー70…
◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 3日目(23日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7440yd(パー70)
思わず息をのむシーンが2回続いた。ボギーを叩いた直後の後半12番、グリーン奥からパターで放った3打目はカップを1.2mオーバー。パーパットを外すと、次の返しも横に逸れた。天を仰いだ松山英樹は、ボールをマークしてから1.5m近いダブルボギーパットを沈める。ロープサイドから響く温かい拍手を背中で浴びた。
2アンダーの24位から浮上を目指したムービングデーは思惑とは逆の方向に進んだ。レインウェア姿で飛び出した序盤こそ高い技術を披露。出だし1番で残り65ydの第3打をピンそば1mに寄せ、続く2番もバンカー越えのアプローチを難なくこなしパーを拾った。
フェアウェイからのセカンドショットをグリーン右に外した3番のボギーは6番(パー5)のバーディで取り返したが、中盤に不穏な時間が訪れる。この日、ティが前に出されたパー4の8番は303ydの設定。1オンにチャレンジした一打はグリーン左の池にまんまとつかまり、2mのパーパットを外した9番(パー3)までの2連続ボギーを誘発した。
パーオンに成功したのは18ホール中5回だけ。グリーンを外した13回のうち、セーブしたのもわずか7回だった。グリーンサイドのフェアウェイから多くの場面で、得意のウェッジではなくパターを選択。後半14番の坂道を下る際には降りしきる雨に傘もささず、うつむきながら歩くシーンもあった。
1バーディ、5ボギー1ダブルボギー「76」は11回目の挑戦となったイーストレイクGCでの自己ワーストスコア。2017年第1ラウンド、19年第2ラウンドで記録した「75」を更新した。通算4オーバーは30人中29位。優勝争いはおろか、今季初勝利を挙げた1月の開幕戦「ザ・セントリー」以来のトップ10の背中も遠い。
ホールアウト後は静かに帰りの車の助手席へ。プレーオフシリーズ最終戦の最終日は第1組で回る。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)