ロッキーズ戦で痛烈なライナーを受け、苦悶の表情を浮かべる大谷(C)Getty Images 大谷翔平の投打二刀流を支える…

ロッキーズ戦で痛烈なライナーを受け、苦悶の表情を浮かべる大谷(C)Getty Images

 大谷翔平の投打二刀流を支える上で、慎重かつ綿密な計画を遂行するドジャース。23年オフに10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)を投資したメガスターの扱い方が正しいのか否か――。起用法を巡って異論が噴出した。

【動画】MLB公式もクローズアップ! 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン

 キッカケとなったのは、現地時間8月20日に敵地で行われたロッキーズ戦での交代劇だった。この試合で先発登板した大谷は4回に右太ももを痛烈なライナーが直撃するアクシデントに見舞われ、8回に大事を取って交代。本人は「今の段階では大丈夫」と語ったが、翌日の試合は産休制度に相当する「父親休暇リスト」に入った4月18、19日以来の欠場となった。

 デーブ・ロバーツ監督をはじめとする首脳陣は、身体の負担と怪我を誘発するリスクを懸念し、本人を説得した上で「休養」を命じたに過ぎなかった。しかし、この策に米球界のOBから「なぜ休ませるんだ」と疑問の声が上がった。

 声の主は、かつてレッドソックスでプレーした強打者ケビン・ミラー氏だ。歯に衣着せぬ解説で人気を博する彼は、自身がMLB公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Central」で「今は、選手のことじゃなくて、とにかく怪我を心配する時代だ。やれ怪我だの、投球制限だの、また怪我だのと、そんなことばっかりだ」と吐露。大型契約を台無しにするリスクを考慮し、選手に制限を設ける球界全体の風潮をくさした。

 そして、「打席に入って顔面にぶつけられることだってあるだろ」と強調したミラー氏は、大谷に休養を取らせたドジャース首脳陣の姿勢を断じた。

「俺が言いたいのはオオタニは大丈夫だってことだ。だって、本人が『問題ない』と言っているんだからね。彼に関しては、100マイル(約160.9キロ)の速球を投げました。あとは、『体調』『体調』『体調』っていう感じだ。でも、もしも彼がポストシーズンで『先発したい』と言ったら、誰も『ダメだ』なんて言えないはずだ。そして誰も『100マイルはいらないし、スプリットもいらない』なんて言えないだろ? もうオオタニを必要以上に抑え込むことには我慢できない!」

 ドジャースとしては中長期を見越した起用法を選択しているに過ぎない。相当な負荷が身体にかかる投打二刀流を管理する立場としては、当然の策とも言える。それでも「本人が『問題ない』と言っているし、実際にオオタニは健康じゃないか」と鼻息を荒くするミラー氏は、「10月になったら彼は絶対にマウンドに立たなきゃいけなくなるんだ。ローテーションの状態にアップダウンがあるからなおさらだ」と、慎重すぎる姿勢に強い懸念を示した。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】大谷翔平は「謙虚ではない」――全米中継での野球少女が猛烈批判 “サイン無視の過去”が物議「誰もがオオタニを尊敬しているわけじゃない」

【関連記事】貢献度は“平均以下”でDFAの予測も…正念場も打率1割台の絶望的状況のド軍25億円男を米記者が嘆き「少ない成果しか出せてない」

【関連記事】「私の人生を変える」大谷翔平の“記念球”をなぜ競売に? 651万円獲得の米女子大生が明かした心境「機会を逃すわけにはいかなかった」