名古屋決戦をいかに戦うか。井上のパフォーマンスには“ボクシングの本場”でも熱視線が注がれている(C)Getty Imag…

名古屋決戦をいかに戦うか。井上のパフォーマンスには“ボクシングの本場”でも熱視線が注がれている(C)Getty Images
日本が生んだ“怪物”にとって緊張が高まる大一番が迫っている。
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、来る9月14日に名古屋のIGアリーナでWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との防衛戦を迎える。
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7月の試合発表会見で「今回は判定決着でもいい。しっかり勝ち星を取りに行く強い気持ちで戦いたい」と語った井上。試合に向けては「緊張感」を追い求め、元WBA・IBF同級王者で、23年12月に王座戦を繰り広げたマーロン・タパレス(フィリピン)とのスパーリングに加え、都内の帝拳ジムで2度の“出稽古”も敢行。「群を抜いて強敵」(大橋秀行会長談)と評する挑戦者の打倒に向け、ハードワークをこなしている。
そんな大一番のゴングまで1か月を切り、海外メディアでも井上に対する関心は高まっている。米専門メディア『Boxing Scene』で論客を務める米国のトレーナーであるスティーブン・エドワーズ氏は、読者からの質問に答える記事内で「アフマダリエフがイノウエにとって脅威となるのでしょうか?」と問われ、「イノウエは特別なファイターだ。今じゃ史上最高のファイターという確固たる地位を築きつつある。それほどまでに彼は優れたファイターなんだ」と反応。そして、次のように試合展望を記している。
「私は今でもイノウエこそが世界最高のファイターの一人だと感じている。ウシクやクロフォードと肩を並べる実力者だとも思う。確かに壁の塗装が少しだけ剥がれてきたように見えるかもしれないが、とはいえ、私は彼がMJ(アフマダリエフの愛称)に圧勝すると予想する。なぜならイノウエの方がファイターとしても、アスリートとしても、優れていると感じているからだ」
去る5月4日に米ラスベガスで行われたラモン・カルデナス(米国)との防衛戦で、井上は2回に左フックをくらってダウン。世界に衝撃が走ったわけだが、エドワーズ氏は「数センチの差を競う試合では起こりえる。彼のような破壊力のあるパンチャーならなおさらだ」と指摘。その上で「少し調子を落としたからといって、イノウエがA+級のパフォーマンスを発揮できないわけではない」と断言している。
「以前よりも脆くなったかもしれないが、それでもイノウエは図抜けている。彼は次の試合でも速く、そして残酷な戦い方をするはずだ。私はMJを後半でストップさせるか、大差の判定勝ちで圧倒すると予想するよ」
果たして、井上はいかにして難敵を翻弄するのか。先述の会見で「まぁ見ててくださいよ(笑)」と笑った“怪物”のパフォーマンスを興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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