◇国内男子◇ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 2日目(22日)◇北海道ブルックスCC(北海…
◇国内男子◇ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 2日目(22日)◇北海道ブルックスCC(北海道)◇7286yd(パー72)◇曇り(観衆779人)
終盤17番(パー5)で、小平智が会心のイーグルを奪った。初日と逆の軽いフォローが吹く中、左手前ピンまで255ydから5Wで下1.5mにつける文句なしの内容だ。バーディは11番からの3連続を含む6個。「だいたい3m前後(のチャンス)が多かった。昨日はそれが入らなかったけど、無理なくゴルフができてます」。12位から出て、2日連続ボギーなしで「64」をマーク、通算13アンダーまでスコアを伸ばした。
2018年「RBCヘリテージ」でのPGAツアー初優勝を機に本格参戦した同ツアーから、23年に一時撤退を決めた。しかし、昨季は日本で賞金ランキング53位と賞金シード確保が精いっぱい。不本意なシーズンとなった最大の要因は、23年1月8日の父・健一さんの他界にある。「親父が死んで、コーチもいなくなった。ゴルフどうこうより、心の支えがなくなってテンションが上がらなくて…」。元レッスンプロで自分のゴルフを作ってくれた人。喪失感は半端ではなかった。
今のままではダメなことは、小平自身が一番わかっていた。「もう一度、心もゴルフも整えよう」。自分を見つめなおすため、6月末の「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ」後すぐ米参戦時の拠点、フロリダ州オーランドへ。すると「小平さん、ちょっと一緒にやりましょう」と松山英樹が連絡をくれ、3日間、2ラウンドを回った。米参戦中の久常涼、米下部ツアーで戦う平田憲聖も連絡をくれた。
「僕は運がいいと思います。人に恵まれてます。ヒデキをはじめ、後輩たちが気を使ってくれて」。松山からは「小平さん、昔はこうでしたよね」とスイング面で指摘を受けたりした。「そこで自分の中で“発見”があって」と自分なりに消化。シャフトを3年前のものに戻し、同時にスイング修正に取り組んで、前週初めに帰国した。
現在のターゲットは日本開催の米ツアー「ベイカレントクラシック Presented by レクサス」(10月9-12日/神奈川・横浜CC)。出場資格は10月5日終了の「バンテリン東海クラシック」(愛知・三好CC西C)後の賞金ランキング7位までで、現在66位の小平はかなりの追い上げが必要だ。「出たいですね。出て、ヒデキと戦いたいです」。35歳のベテランの目に闘志が戻ってきた。(北海道苫小牧市/加藤裕一)