マウンドで「違い」を生み出している大谷。彼の起用法を巡ってドジャース内部でも議論は重ねられている(C)Getty Ima…

マウンドで「違い」を生み出している大谷。彼の起用法を巡ってドジャース内部でも議論は重ねられている(C)Getty Images
大谷翔平(ドジャース)の起用法を巡って興味深い考えが明かされた。
現地時間8月20日、米ポッドキャスト番組『The Dan Patrick Show』に出演したドジャースのマーク・プライアー投手コーチは、今季のポストシーズンにおいて大谷をリリーフ起用する可能性があることを「内部的には、選択肢として検討している」と語った。
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去る6月16日(現地時間)のパドレス戦で、約2年ぶりに実戦復帰を果たした「投手・大谷」。そこから始まったメジャーリーグを舞台にした前代未聞のリハビリは順調に進んでおり、ここまで10先発(27.1イニング)を消化。現地時間8月20日のロッキーズ戦で5失点を喫した影響から防御率こそ4.61ながら、奪三振率11.52と高い支配力は見せている。
もっとも、大谷の中継ぎへの配置転換は以前から議論されてきた起用法ではある。23年のワールド・ベースボール・クラシック決勝でクローザーとして登板した彼の圧倒的な内容は強い印象を残しており、可能性を推挙する識者も少なくない。
そうした中で先発起用を貫いてきたドジャース内部でもリリーフ起用が議論されているというのは、驚きでもあった。プライヤー投手コーチは、6月に投手として復帰する時点で「議論されていた」と告白。最終的には二刀流継続を強く望んだ大谷の意向を汲んだ上で、チームがオープナーとして先発させつつ、ラインナップに残すという方針を採用したという。
当時に繰り返された議論をプライヤー投手コーチは、こう振り返っている。
「我々は彼がリリーフとしてどう機能するかを議論していた。それは間違いない。ただ、彼を二刀流選手として登録するためには、先発でなければならないといったように、ルールブックにはっきり書かれていたんだ」
MLBでは2022年に施行された、いわゆる「大谷ルール」。先発投手DHを兼務できるという二刀流に挑戦する選手のために設けられた同ルールだが、それによって大谷の起用法に影響が出ているという。
現行ルールの“壁”を明かしたプライヤー投手コーチは、「その(リリーフ起用)のシナリオが成り立つのは、終盤でショウヘイが投げ切って試合を締めくくれると想定できる場面。つまりクローザー的な役割のときになると思う」と断言。「彼がもう打席に立たなくてもいいという状況。その場合なら私は十分あり得ると思う」と示唆した。
ただ、可能性が「ゼロ」というわけではない。ここまで大谷のリハビリを間近で見てきたプライヤー投手コーチは、持論を続けている。
「結局のところ、どんな付加価値があるにせよ、試合に勝てるチャンスを与えてくれるなら、ショウヘイは全力で取り組むだろうと思う。もちろん合理的な範疇での起用にはなる。とにかく彼はチームが勝つことを大切に思っている。そのために攻守の両面でチームに貢献することを何よりもこだわっている。
だから、勝てるかもしれない状況で提案されたなら、彼は決断するだろう。それがどういう状況なのかは正直分からないが、プレーオフのように絶対に勝たなければならない状況なら、おそらくそうするかもしれない」
チームが勝つためなら――。いまだリハビリの途上にある大谷だが、「絶対勝利」が求められる状況において、球界を騒然とさせる決断を下すかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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