退任が決まった中井監督。1990年からチームの指揮を執ってきた(C)産経新聞社 お茶の間をも騒然とさせた問題にまた一つ動…

退任が決まった中井監督。1990年からチームの指揮を執ってきた(C)産経新聞社
お茶の間をも騒然とさせた問題にまた一つ動きがあった。8月21日、広島県の広陵高校が、1990年から指揮を執ってきた中井哲之監督の退任を発表した。
【画像・高校生編】押さえておきたい「2025ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手の写真&寸評を一挙紹介
今夏に開催された第107回全国高校野球選手権大会出場をしていた広陵を巡っては、開幕直後にSNS上でチーム内での暴力事案に対する批判が過熱。今月5日に高野連は、今年1月に野球部内で2年生部員(当時)4人が1年生部員(当時)の寮の部屋を個別に訪れ、胸を叩く、頬を叩くなどの暴力を伴う不適切な行為を行った事実を認めて「3月に厳重注意とした事案があった」と発表。その翌日には学校側も野球部員による暴力行為を明らかにした。
8月7日の1回戦・旭川志峯(北北海道)に勝利した後には、別の暴力事案も判明。初戦突破の3日後には堀正和校長が会見を開き、一連の事態を重く受け止めた上で、新たな指導体制の確立と、批判や誹謗中傷が広まったことで生じた自校生徒や教職員の安全面にも配慮し、大会出場辞退を発表した。
さらに堀校長は、10日の会見時に中井監督の指導体制に問題がなかったのかなどの調査をする第三者委員会の発足を決定。結論が出るまでの間は、当時の部員に対して行った暴力事案を行ったとされる同監督を一時的にチームから離れさせる措置を取る意向も明らかにしていた。
いまだ騒動の余波が続く中で、1990年から指揮を執ってきた指揮官の解任が決まった。広陵としては、23日から開幕する秋季地区予選大会を目前に決定を下した形だ。
名門校で起きた暴力騒動が発端となり、改めてクローズアップされる形となった悪しき旧来型の“上下関係”。広陵に厳しい目が今後も向けられる中で、“指導”という名の暴力を根絶する動きも強まっていくだろう。
同校は指摘される「硬式野球部の体質、過去の暴力・暴言等の有無の問題」について、「外部の学識経験者と、本法人の役員・評議員から本校卒業生及び本校野球部在籍経験者を除いた者により構成する『学校改善検討委員会』を設置し、第三者視点からの検討を学校運営に反映させる」ことを発表している。委員は近日中に決定し、初回の検討委員会の開催についても報告するという。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「原因は鉄製ドア」甲子園辞退の広陵が文春報道に“全面反論” 「集団暴行の事実はありません」中井哲之監督の隠蔽も否定
【関連記事】波紋を生んだ広陵の異例辞退をどう受け止めたか? 高野連会長が訴えた事案解決への“追求”「暴力や暴言、いじめがない健全な高校野球を」