◇国内男子◇ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 初日(21日)◇北海道ブルックスCC(北海道…

ツアー競技で初の首位発進を決めた田中章太郎

◇国内男子◇ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 初日(21日)◇北海道ブルックスCC(北海道)◇7286yd(パー72)◇晴れ(観衆733人)

プロ6年目の田中章太郎がツアーで初の首位スタートを切った。3アンダーで迎えた前半17番(パー5)で残り275ydから3Wで2オン、10mを沈めてイーグルを奪取した。後半も137ydの2打目をベタピンにつけた2番から3連続バーディを決めるなど、1イーグル7バーディ、1ボギーの「64」。前週「ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント」第3ラウンドに出したツアー自己ベスト「65」を更新した。

親について練習場に行き、サッカーと並行してゴルフを始めた。「全部、自分の責任になる」ことを理由に、ゴルフに専念するようになった。基本は独学で、スイング作りの参考にしたのはYouTubeなどの動画。特に「リズムが好きで、めちゃめちゃ参考にしてきた」という世界ランキング3位のザンダー・シャウフェレがベースにある。

スイングイメージはザンダー・シャウフェレ

日本ウェルネス高2年の時、尾崎将司が主宰する「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」に応募して1期生になった。門下生の同期に今春の女子メジャー「シェブロン選手権」を制した西郷真央らがおり、“女性上位”のアカデミーにあって「僕も負けないように」という。

ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーの1期生

まだ23歳の若手だが、パットのイップスに苦しんできた。2020年にはPGA(日本プロゴルフ協会)資格認定プロテストにレフティ用パターでグリーン上だけ左打ちで合格した。そんな悩みを抱えている時、尾崎から「フック、スライス、上り、下り。ラインで打ち方も変わるんだぞ」と固定観念に縛られないようアドバイスを受け、前向きになれた。「まだ完全に治ったわけじゃないんです」と言いながら、現在は右打ちに戻り、通常サイズと長尺のパターを併用。この日は長尺でビッグスコアをたたき出した。

下部ツアー優勝は経験済み

5月の下部ACNツアー「太平洋クラブチャレンジトーナメント」でプロ初優勝。現在、同ツアーポイントランキング5位につけ、来季レギュラーツアー前半戦出場権(20位以内)はほぼ手中にしている。「ジャンボさんには“次はツアー(優勝)だな”と言っていただきました。期待してくれてるんだなと思います」。さらなる飛躍の時は、着実に近づいている。(北海道苫小牧市/加藤裕一)