(21日、第107回全国高校野球選手権大会準決勝 日大三4―2県岐阜商 延長十回タイブレーク) その右肩で、3万7千人…

 (21日、第107回全国高校野球選手権大会準決勝 日大三4―2県岐阜商 延長十回タイブレーク)

 その右肩で、3万7千人の観衆を沸かせた。

 六回の守り。県岐阜商バッテリーは二塁打と四球で無死一、二塁とされた。だが、小鎗(こやり)稜也捕手(3年)は冷静だった。

 二塁走者のリードが大きいのを見逃さなかった。2球目を捕球後、二塁へ一直線の牽制(けんせい)球を送ってタッチアウト。大歓声に包まれた。でも「聞こえなかったですね。無我夢中で思いっきり放っただけなので」。この回、無失点で切り抜けた。

 「自分たちは甲子園に来られると思っていなかった」と言う。県岐阜商が16年ぶりに挑んだ準決勝でも、後輩のエース柴田蒼亮投手(2年)の成長ぶりがミットで感じ取れた。

 日大三打線に対し、強気に内角を突き、課題だったスタミナも終盤まで球威は落ちなかった。同点の九回、2死一、三塁のピンチは147球目に144キロの直球で空振り三振。投手戦は延長へもつれ込んだ。

 県岐阜商のストッキングにある4本線は、全国大会の優勝回数を表している。5本目は後輩たちに託す。小鎗捕手は「柴田は、落ちる変化球を覚えて球速を5キロ伸ばせば、ものすごい投手になる。また甲子園で躍動感ある投球をしてほしい」。充実した表情だった。(辻健治)