(21日、第107回全国高校野球選手権大会準決勝 日大三4―2県岐阜商 延長十回タイブレーク) 県岐阜商の2年生エース柴…

(21日、第107回全国高校野球選手権大会準決勝 日大三4―2県岐阜商 延長十回タイブレーク)

 県岐阜商の2年生エース柴田蒼亮(そうすけ)は、毎回のようにピンチを背負った。それでも、「どんなときも笑顔で余裕を持って抑えたい」。同点の九回2死一、三塁、右腕は縦方向に変化するスライダーで追い込むと、この日最速の144キロ直球で外角いっぱいを突く。空振り三振で切り抜けた。

 甲子園での4試合で登板した4投手は、自分も含めて全員2年生。野手の3年生がもり立ててくれた。

 この日は二回に左翼手・宮川鉄平が本塁への好返球で失点を防ぎ、捕手・小鎗稜也は投球を後ろにそらさない。柴田は「頼もしくて優しい3年生のおかげでここまで投げられた」。

 延長十回に球数が150球に達すると、連打を浴びて2点を失った。打線は反撃できず、69年ぶりの決勝を目前に敗れた。

 今大会3完投した柴田の帽子のつばには、「よゆう 1つずつ」。苦しいときに先輩たちがくれた言葉だ。「勝たせてあげられなくて悔しい」。あと少しだけ、長い夏にしたかった。(平田瑛美)