前年王者として甲子園に戻ってきた京都国際。今大会は、京都勢初の夏連覇を目標に掲げた。初戦では優勝候補の一角、健大高崎(…
前年王者として甲子園に戻ってきた京都国際。今大会は、京都勢初の夏連覇を目標に掲げた。初戦では優勝候補の一角、健大高崎(群馬)を6―3で破った。尽誠学園(香川)には3―2で競り勝ち、準々決勝に進出。しかし山梨学院には4―11で敗れ、連覇への戦いは幕を閉じた。
今年の京都国際は、倉橋翔さん(3年)と記録員の嘉門翔太さん(3年)のダブル主将が束ねた。本来クリーンアップを打つほど実力がある嘉門さんは、けがのため、試合に出られなかった。
甲子園で4強になれば、秋に滋賀県で開催される国民スポーツ大会への出場が確定的となり、嘉門さんは再びグラウンドでプレーできる。合言葉は「嘉門を国体に」となり、準々決勝進出の原動力となった。
投打の中心は昨夏の優勝メンバーだった。エース・西村一毅さん(3年)は健大高崎戦で160球の完投勝利。尽誠学園戦でも救援し、九回は3者連続三振で締めた。準々決勝は6回9失点と苦しんだが、「甲子園で終わることができたのは誇りです」と前を向いた。
打線では、4番・清水詩太(うた)さん(3年)がスクイズやヒットエンドランなどを決め、「つなぎの4番」を全う。昨夏は5番だった長谷川颯(はやて)さん(3年)は1番に座り、毎試合、安打を放った。
下級生の台頭も光った。3番・小川礼斗(らいと)さん(2年)は尽誠学園戦で値千金の逆転打を放った。「上下関係が無く、やりやすい環境を先輩たちが作ってくれた。来年、結果で恩返ししたい」。2番・長谷川瑛士さん(2年)は堅実な守備とつなぎのバッティングで流れを呼び、「次は下級生を連れて行く番。来年は甲子園でホームランを打って、ダイヤモンドを一周したい」と力を込めた。
準々決勝では1年生4人も出場し、大舞台の空気を肌で感じた。
山梨学院戦は4―11と敗れたものの、終盤に得点し、意地をみせた。小牧憲継監督は「劣勢でも食らい付いてくれた。この1年間の成長だと思いますし、指導者として非常にうれしかった」と締めくくった。
目標の連覇には届かなかったが、試合ごとに積み上げた成長は、確かに次へつながっている。(木子慎太郎)